『チキ・チキ・バン・バン』

この週末は、ブルーレイで『チキ・チキ・バン・バン』を見た。

1968年のイギリス映画。
監督はケン・ヒューズ
脚本は、『007は二度死ぬ』のロアルド・ダール
原作は、『007』シリーズのイアン・フレミング
製作は、『007』シリーズのアルバート・R・ブロッコリ
美術は、『007』シリーズ、『博士の異常な愛情』『バリー・リンドン』のケン・アダム。
特殊効果は、『007』シリーズのジョン・スティアーズ。
主演はディック・ヴァン・ダイク
共演は、『史上最大の作戦』『007 ゴールドフィンガー』のゲルト・フレーべ、『007』シリーズのデスモンド・リュウェリン
ユナイテッド・アーティスツ配給。
カラー、ワイド(スーパーパナビジョン)。
本作は、子供向けのミュージカルである。
車のエンジン音が鳴り響く。
有名なテーマ曲。
1907年のイギリスGPを皮切りに毎年、各地でクラシック・カー・レースが繰り広げられる。
毎年優勝し続けていたレース用自動車は、最後に事故を起こす。
廃車置き場に放置されている車の残骸で遊ぶ二人の子供・ジェレミーとジャマイマ。
二人が飛び出したところで、車を運転する社長令嬢のトルーリーとぶつかりそうになる。
子供達は、トルーリーに家まで送ってもらう。
いつも遊んでいる車がスクラップにされてしまうことを知った二人は、父親のカラクタカス・ポッツ(ディック・ヴァン・ダイク)に買い取ってくれるよう頼み込む。
ポッツは珍妙なモノばかり作り続ける発明家だった。
今日も、人間ロケットの発射実験をして失敗する。
その父親のバンジー・ポッツも変な爺さんだ。
子供達の手前、了解はしたものの、車を買い取る資金のアテなどない。
本作は、ドタバタ・コメディ的なノリもある。
雨漏りのヒドイ家。
飼い犬の名前はエジソン
ポッツの発明品の中に、穴のあいたキャンディーがあった。
これが吹くと笛になることに気付いたポッツは、お菓子メーカーに売り込むことを思い付く。
そう言えば、昔、笛キャンディーがあったなあ。
ポッツがお菓子メーカーに行くと、何故かトルーリーがいた。
実は、彼女はここの社長の娘なのであった。
ポッツは必死で売り込むが、忙しい社長は聞く耳を持たない。
そこへ、エジソンが仲間のワンコ軍団と共に乱入し、工場はメチャクチャになる。
売り込みは失敗した。
車は買えない。
意気消沈したポッツは、今度は遊園地へ向かう。
発明品の全自動散髪機を売り込もうとするが、実験台になったオッサンの髪型を、頭頂部だけ残して丸ハゲにしてしまった。
オッサンは大激怒。
しかし、その後、ポッツはステージで歌い踊って、観客の喝采を浴び、大量のチップが舞い込む。
ポッツは、そのお金で車を買うことが出来た。
ポンコツ車だったが、修理なんかはお手の物。
子供達と車で海へピクニックに出掛ける。
この車は、走っていると、エンジンが「チキ・チキ・バン・バン」と歌う。
途中、トルーリーの車とすれ違う。
彼女も誘って、一緒にドライブ。
海辺へ到着。
ここで子供達が歌うのだが、どうにも声量がなくて、聞くに堪えない。
もう少し歌唱力のある子役を選べば良かったのに。
遥か洋上では、悪名高きボンバースト男爵(ゲルト・フレーベ)の船がこちらに向かっていた。
チキ・チキ・バン・バンを奪いに来たのだ。
遊び疲れて車の中でまどろんでいたポッツ達だが、いつの間にやら潮が満ちていて、車が出られなくなっていた。
すると、突然、車がエアボートに変身する。
さすが、イアン・フレミングだ。
原作だけではなく、本作はスタッフもキャストも、皆「007」絡みである。
ボンバーストの船が迫って来るが、チキ・チキ・バン・バンはそれを振り切って、陸へ戻る。
ボンバーストは、手下のスパイに「陸へ上がって、車を奪って来い」と命じる。
で、何も知らないポッツ達は、「今日は楽しかった」と言って、トルーリーと別れる。
彼女はポッツのことを気に入る。
その頃、ポッツの家にスパイが到着し、バンジーをポッツと勘違いして誘拐してしまう。
気球でさらわれた父を追って、ポッツはチキ・チキ・バン・バンで追い掛ける。
目の前に崖が!
その下は海である。
さあ、どうなる?
というところで「intermission」。
2時間23分の映画にも休憩がある。
まあ、子供向けだからかな。
ストーリーはハチャメチャである。
まあ、「007」と同じノリだから、カネは掛かっているのだろう。
ラストは、この手のミュージカル一版と同様、ご都合である。
でも、まあ楽しい映画だとは言えるだろう。
1969年洋画興行収入2位(1位は『ブリット』)。