『嵐が丘』を原書で読む(第5回)

(テキスト6ページ、3行目〜)

Mr Heathcliff may have entirely dissimilar reasons for keeping his hand out of the way, when he meets a would-be acquaintance, to those which actuate me.

Heathcliff ヒースクリフ(Emily Brontëの小説Wuthering Heights(1847)の主人公/復讐の鬼)
may(助動)(不確実な推量を表わして)〜かもしれない、おそらく〜であろう
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
entirely(副)まったく、完全に(=completely)
dissimilar(形)(〜と)似ていない(to)
for(前)(対象)(cause、reason、ground、motive、foundationなどの後で用いて)〜に対して、〜すべき
keep out of 〜(〜を)(けんかなど)に加わらせないようにする ・She kept her child out of his way. 彼女は子供が彼のじゃまにならないようにした。
his(代)彼の
out of the way じゃまにならない所に、あけて、どけて
when(接)〜する時に、〜時(時を表わす副詞節をつくる)
meet(他)(紹介されて初めて)(人と)知り合いになる
would-be(形)(しばしば軽蔑的に)自称の、〜のつもりの
acquaintance(名)知人、知り合い、知己(友人ほど親密ではなく仕事などの関係で知っている人にいう)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)〜に対して、〜に
those(代)(指示代名詞)(前に述べた複数名詞の反復を避けるために用いて)それら(⇔these)
which(代)(関係代名詞)(制限的に用いて)〜する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)/(目的格の場合)
actuate(他)(人を)行動させる(=motivate)

Let me hope my constitution is almost peculiar: my dear mother used to say I should never have a comfortable home, and only last summer, I proved myself perfectly unworthy of one.

let(他)(命令法で)(人・ものなどに)(〜)させてください
hope(他)(Iを主語にして)(〜と)思う、信じる(+that)
my(代)私の
constitution(名)気質、性質
almost(副)(形容詞・副詞を修飾して)だいたい、ほとんど
peculiar(形)異常な、風変わりな
used(助動)(常にto doを伴って)(過去の習慣的行動を表わして)〜するのが常であった、〜する習わしだった
say(他)(人に)(〜と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
should(助動)(可能性・期待を表わして)きっと〜だろう、〜のはずである
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して〜ない
home(名)家庭
only(副)(時を表わす副詞節を修飾して)つい〜、たった〜
last(形)(時を表わす名詞の前に用いて)すぐ(この)前の、昨〜、去る〜、先〜(副詞句にも用いる) ・last summer 過ぐる夏(去年の夏/今年の終わった夏)
prove(他)(〜を)証明する、(〜の)真実であることを示す(+目+補)
myself(代)(再帰的に用いて)(一般動詞の目的語に用いて)私自身を(に)
perfectly(副)まったく、ほんとうに、実に(=quite)
unworthy(形)(地位・称賛などに)値しなくて、ふさわしくなくて(of)
of(前)(関係・関連を表わして)〜の点において、〜に関して、〜について
one(代)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ

While enjoying a month of fine weather at the sea-coast, I was thrown into the company of a most fascinating creature, a real goddess, in my eyes, as long as she took no notice of me.

of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)〜の
fine(形)(天気が)よく晴れた、快晴の、好天気の(=fair) ・fine weather 快晴、晴天
seacoast(名)海岸、海浜、沿岸
throw(他)(〜を)(ある位置・状態などに)投じる、陥らせる(into)
into(前)(変化・結果を表わして)〜に(する、なる)(通例ある物が別の物に形や状態を変えることを表わす)
company(名)(人・ペットが相手をして)一緒にいること、同席、同伴(of)
most(副)(通例theを用いないで)はなはだ、非常に(この語が修飾する形容詞が名詞の単数形とともに用いられる時は不定冠詞を伴う/この意味のmostが修飾する形容詞・副詞は話者の主観的感情・判断を表わす)
fascinating(形)魅惑的な、うっとりさせる(ような)、すごくおもしろい(美しい)
creature(名)(通例修飾語を伴って)人、やつ、女、子 ・a pretty(dear)creature かわいらしい女(の子)
goddess(名)(神話などの)女神
in(前)(人の能力・性格・才能を表わして)(人)の中には、〜には
as long as 〜 〜する限り(条件を表わす)
take notice of 〜 〜に注意する、気づく

I ‘never told my love’ vocally; still, if looks have language, the merest idiot might have guessed I was over head and ears: she understood me, at last, and looked a return—the sweetest of all imaginable looks—and what did I do?

love(名)(異性に対する)恋愛、恋
vocally(副)はっきりと口にして
still(副)(接続詞的に)それにもかかわらず
look(名)(通例単数形で)目つき、顔色
have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
language(名)(音声・文字を用いない、花言葉・身ぶり言語などの)言葉、言語
mere(形)ほんの、単なる、まったく〜にすぎない
idiot(名)ばか、まぬけ(=fool)
might(助動)(仮定法過去)(現在の仮定や仮定の結果を表わす節で)(might have+過分で/過去のことの推量を表わして)〜したかもしれなかった(のだが)
guess(他)(十分知らないで、また十分考えないで)推測する(+that)
over head and ears in 〜 〜に深くはまり込んで、〜のため抜きさしならなくなって
at last 最後に、とうとう(=finally)
look(他)(〜の)目つき(顔つき)をする、目つき(顔つき)で(〜を)表わす
return(名)返礼、応答、返報
sweet(形)優しい、親切な
of(前)(部分を表わして)〜の中の
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
imaginable(形)(通例強調のために最上級形容詞またはall、every、noなどに添えて用いて)想像できる、想像できる限りの(=possible)
do(助動)(be以外の動詞の疑問文に用いて)

I confess it with shame—shrunk icily into myself, like a snail, at every glance retired colder and farther; till; finally, the poor innocent was led to doubt her own senses, and, overwhelmed with confusion at her supposed mistake, persuaded her mamma to decamp.

confess(他)(罪・隠し事などを)告白する、白状する、打ち明ける
with(前)(様態の副詞句を導いて)〜を示して、〜して
shame(名)恥ずかしい思い、恥ずかしさ
shrink into oneself 引きこもりがちになる
icily(副)冷たく、冷淡に
like(副)〜らしく、〜同様に
snail(名)カタツムリ
at(前)(状態・状況を表わして)〜(の状態)で
every(形)(可算の単数名詞を伴って無冠詞で)毎〜、〜ごと
glance(名)一見、ひと目、一瞥(べつ)
retire(自)退く、去る、引きこもる、立ち去る
cold(副)完全に、まったく、すっかり
farther(副)(距離・空間・時間が)さらに遠く、もっと先に
till(接)(結果・程度を表わして)(〜して)ついに、(〜する)ほどに(しばしばtillの後にat last、finallyなどが入ることがある)
poor(形)哀れな、不幸な、気の毒な(話し手の気持ちからpoorと言っているので、訳の時には「気の毒に」と副詞的に訳すとよい)
innocent(名)無邪気(純真)な人
lead(他)(〜を)(〜の状態・結果へ)導く(+目+to do)
doubt(他)(〜を)疑う、(〜に)疑念をもつ、(〜かどうかを)疑わしいと思う
her(代)彼女の
sense(名)(one's senses)正気、意識
overwhelm(他)(感情などが)(人を)(精神的に)圧倒する、参らせる、閉口させる(しばしば受身で用い、前置詞はwith)
with(前)(原因を表わして)〜のせいで、〜のゆえに、〜のために
confusion(名)困惑、ろうばい
at(前)(感情の原因を表わして)〜に(接して)、〜を見て、聞いて、考えて
supposed(形)推測された、仮定の、思われている
persuade(他)(人を)説得する、(人を)説得して(〜)させる(⇔dissuade)(+目+to do)
mamma(名)=mama(名)ママ、おかあさん(主に小児語)
decamp(自)(急に、ひそかに)逃亡する

By this curious turn of disposition I have gained the reputation of deliberate heartlessness, how undeserved, I alone can appreciate.

by(前)(原因を表わして)〜のために
curious(形)不思議な、奇異な、変な
turn(名)傾向(=trend)
disposition(名)(通例単数形で)性質、気質、性癖
gain(他)(役立つもの・望ましいものを)(努力して)得る、手に入れる
reputation(名)評判、世評(of)
of(前)(同格関係を表わして)〜という、〜の、〜である
deliberate(形)故意の、計画的な(=intentional)
heartlessness(名)<heartless(形)無情な、薄情な、冷酷な
how(副)(疑問詞)(程度を尋ねて)どれほど、どれだけ
undeserved(形)受けるに値しない、不相応な
alone(形)(名詞・代名詞の直後でそれを修飾して)ただ〜だけ、〜のみ(通例主語を修飾するのに用いる/副詞とする人もいる)
appreciate(他)(物事を)(的確に)認識する

I took a seat at the end of the hearthstone opposite that towards which my landlord advanced, and filled up an interval of silence by attempting to caress the canine mother, who had left her nursery, and was sneaking wolfishly to the back of my legs, her lip curled up, and her white teeth watering for a snatch.

take(他)(席・位置などを)占める、取る ・take a seat 席につく
seat(名)席、座席 ・take a seat 座る、着席する
end(名)(細長いものの)端、末端、先端 ・at the end of 〜の突き当たりに
hearthstone(名)炉石(炉床に敷く石)
opposite(形)反対側の、向こう側の、向かい合っている ・the opposite end of 〜の向こう側
that(代)(指示代名詞)(反復の代名詞として)(〜の)それ(oneと違ってthe+名詞の代用で通例of 〜などの前置詞句が伴う)
towards(前)=toward
landlord(名)家主
advance(自)(〜に向かって)進む、前進する(towards)
fill up(〜を)ぎっしり詰める(ふさぐ)
interval(名)(時間の)間隔、合間(of)
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(〜すること)によって
attempt(他)(〜を)試みる、企てる(結果的な失敗を含意することが多い)(+to do)
caress(他)愛撫する、なでる(=stroke)
canine(形)犬の、犬のような
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)しかしその人は、そしてその人は
nursery(名)子供部屋、育児室
sneak(自)(副詞句を伴って)こそこそと入る(出る、うろつく)
wolfishly(副)<wolfish(形)オオカミのような
to(前)(到達の意を含めて)〜まで、〜へ、〜に
back(名)(the 〜)(正面(front)に対して)背面、裏面、後ろ
lip(名)唇
curl up 丸くする、丸める
water(自)(目が)涙を出す、(口が)よだれを出す(=salivate)
for(前)(準備・保全・防止を表わして)〜に備えるために(の)、〜を保つ(直す)ために(の)
snatch(名)とびつき

My caress provoked a long, guttural gnarl.

caress(名)愛撫(あいぶ)(キス・抱擁など)
provoke(他)(感情・行動などを)引き起こす
long(形)(時間・過程・行為など)長い、長期に渡る
guttural(形)のどから出る
gnarl(名)→gnarl(自)(廃)うなる(=snarl

‘You'd better let the dog alone,’ growled Mr Heathcliff, in unison, checking fiercer demonstrations with a punch of his foot.

You'd→You had
had better do 〜すべきだ、〜するのがよい、〜したほうがよい(主語が1人称以外の時には忠告・命令、また時には威嚇の意味合いをもつので、特に2人称では目上の人には用いるべきではない)
let 〜 alone(通例命令法で)(人・ものを)かまわずに(そのままにして)おく
growl(他)怒って言う、どなる
in unison 一致して、調和して(=in concert)
check(他)(感情・活動などを)抑える、抑制する
fierce(形)獰猛(どうもう)な、凶暴な
demonstration(名)(感情の)表明
with(前)(道具・手段を表わして)〜を用いて、〜で
punch(名)げんこつで打つこと、パンチ

‘She's not accustomed to be spoiled—not kept for a pet.’

She's→She is
accustomed(形)(〜に)慣れて(⇔unaccustomed)(to)
spoil(他)(人を)過度に甘やかす、ちやほやする
not(副)(不定詞・分詞・動名詞の前に置いてそれを否定して)(〜し)ない
keep(他)(家畜・犬・猫などを)飼う、飼育する ・keep a dog 犬を飼う
for(他)(資格・属性を表わして)〜(だ)として、〜と

Then, striding to a side-door, he shouted again.

then(副)それから、その後で
stride(自)(副詞句を伴って)大またに歩く
side(形)わきの、横の ・a side door(横手の)通用口、勝手口
door(名)(通例単数形で)戸口、門口、(扉を備えた)出入り口、玄関(=doorway)

‘Joseph!’

Joseph(名)ジョーゼフ(男性名/愛称Jo、Joe)

Joseph mumbled indistinctly in the depths of the cellar, but gave no intimation of ascending; so, his master dived down to him, leaving me vis-à-vis the ruffianly bitch, and a pair of grim, shaggy sheep dogs, who shared with her a jealous guardianship over all my movements.

mumble(自)(人に)もぐもぐ言う
indistinctly(副)<indistinct(形)(形状・記憶など)不明瞭な、ぼんやりした(=vague)
depth(名)奥まった所、奥地 ・in the depth of 〜の奥に
cellar(名)地下室、穴蔵(通例物置きや貯蔵庫にする)
give(他)(印象・考えなどを)与える
intimation(名)(〜という)ほのめかし、暗示
ascend(自)(上方に)登る、上がる(⇔descend)
so(接)(等位接続詞として)そこで、それで、〜ので
dive(自)(副詞句を伴って)(ある方向に)勢いよく動く、飛ぶ、飛び込む
down(副)(人が)(階上から)下りて
leave(他)(副詞句を伴って)(人・ものを)(〜に)置いていく
vis-à-vis(前)〜と向かい合って、〜と相対して
ruffianly(形)<ruffian(名)悪党、ごろつき、やくざ者
bitch(名)雌犬
pair(名)(動物の)ひとつがい、一緒につながれた2頭の馬
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)〜の
grim(形)(人・表情など)厳しい、いかめしい、険しい
shaggy(形)毛深い、毛むくじゃらの ・a shaggy dog 毛むくじゃらの犬
sheepdog(名)羊の番犬、牧羊犬(collieなど)
share(他)(費用・責任などを)分担する ・share A with B AをBと一緒に使う
with(前)(一致・調和を表わして)〜と
jealous(形)(疑い深いまでに)油断のない
guardianship(名)保護、守護
over(前)(しばしばall overで)〜の全部を、〜の隅々まで
movement(名)(通例複数形で)(人の)行動、動静
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)