『ハムレット』を原書で読む(第8回)

(テキスト10ページ、3行目~)

HORATIO
A mote it is to trouble the mind’s eye.
In the most high and palmy state of Rome,
A little ere the mightiest Julius fell,
The graves stood tenantless and the sheeted dead
Did squeak and gibber in the Roman streets —
As stars with trains of fire and dews of blood,
Disasters in the sun; and the moist star
Upon whose influence Neptune’s empire stands
Was sick almost to Doomsday with eclipse.
And even the like precurse of feared events,
As harbingers preceding still the fates
And prologue to the omen coming on,
Have heaven and earth together demonstrated
Unto our climatures and countrymen.

Horatio ホレイショー(Hamlet中のHamletの親友)
mote(名)ちり、(ほこりの)微片
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
trouble(他)(病気などが)(人を)苦しめる
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中
most(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の最上級を作って)最も、いちばん
high(形)最高潮の、クライマックスの
palmy(形)繁栄する、勝利を得た、意気揚々とした
state(名)(通例単数形で)状態、ありさま、様子
Rome(名)ローマ(イタリアの首都/古代ローマ帝国の首都)
little(副)(a ~で肯定的用法で)少し、少しは
ere(接)~する前に、~しないうちに
mighty(形)(人・ものが)力強い、強力な、強大な
Julius Caesar(名)→Caesar, (Gaius) Julius(名)カエサル、シーザー(100-44 B. C. /ローマの将軍・政治家・歴史家)
fall(自)(通例副詞句を伴って)(傷ついて(撃たれて))倒れる
grave(名)墓、死体を埋める穴
stand(自)(~の状態に)ある(+補)
tenantless(形)借手(居住者)のない、空き地の、空き家の
sheet(他)(死者)に経かたびらを着せる
dead(名)(the ~/複数扱い)死者
do(助動)(法律文の常套的表現や詩・詩的散文での虚辞として)
squeak(自)キーキー声で話す(をあげる)
gibber(自)(驚いたり怖かったりして)わけのわからないことを(早口に)しゃべる
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in the street 通りで
Roman(形)(古代)ローマ(人)の
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
with(前)(所持・所有を表わして)~を持って(た)、~のある
train(名)(彗星(すいせい)などの)尾
fire(名)火のような輝き、きらめき、光輝
dew(名)(涙・汗の)しずく
disaster(名)(廃)(星の)不吉な相、凶兆
moist star=moon
whose(代)(関係代名詞)(制限的用法で)(その~が(を、に))~する(ところの)(もの)(人間以外のものを表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
influence(名)勢力、権勢、威光、「コネ」
Neptune(名)ネプトゥヌス、ネプチューン(海神/ギリシア神話Poseidonに当たる)
empire(名)帝国
stand(自)(ものが)(~に)位置する、ある(on)
sick=pale(形)(光が)弱い、薄暗い ・in the pale moonlight 深い月光を受けて
almost(副)(形容詞・副詞を修飾して)だいたい、ほとんど
to(前)(限度・程度・結果などを表わして)~に至るまで、~するほどに
doomsday(名)最後の審判日、世の終わり
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために
eclipse(名)(太陽・月の)食
like(形)(外見・量など)同様な、類似の
precurse(名)(廃)前兆、予示
fear(他)(~を)恐れる、怖がる
harbinger(名)先ぶれ、前兆
preceding(形)先立つ、先行する(時に名詞の後に置かれることがある)
still(副)(古)常に、絶え間なく
fate(名)(個人・国家などの、しばしば不運な)運命、運
prologue(名)(演劇の)プロローグ、前口上、序幕
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
omen=calamity(名)大きな不幸(災難)、惨事
come on(季節・夜などが)やってくる、近づく
heaven(名)天、天空(=skies、sky)
earth(名)(天空に対して)地、地表、地上
together(副)共同で、連携して、連帯で
demonstrate(他)(人が)(~に)(~を)(実例などで)説明する、示す
unto(前)(古)~に、~のほうへ、~まで
our(代)我々の、私たちの
climature(名)(廃)地域(=region)
countryman(名)(通例one's ~)同国人、同郷の人(=compatriot)

Enter the Ghost

enter(自)(Enterで)(演劇)登場する(脚本のト書きではしばしば3人称命令法で用いる/⇔exit)・Enter Hamlet. ハムレット登場。
ghost(名)幽霊、亡霊、怨霊(おんりょう)(英米の幽霊は夜中の12時に現われ、ニワトリの声を聞いて姿を消すとされ、その姿は生前のままで足もある)

But soft, behold, lo where it comes again!
I’ll cross it, though it blast me.

soft(間)静かに、しっ!
behold(間)(注意を促すのに用いて)見よ!
lo(間)見よ!、そら!、それ!
where(接)~する(した)所に(へ、を)
come again また来る、戻ってくる
I'll I shallの短縮形
shall(助動)(意志未来を表わして)(1人称を主語として、義務的感覚または強い決意を表わして)きっと~する
cross(他)(人の)じゃまをする
though(接)たとえ~でも、よし~にせよ
blast(他)呪い倒す

He spreads his arms

spread(他)(腕・翼などを)広げる、伸ばす ・spread one's arms 両腕を広げる
his(代)彼の

Stay, illusion.
If thou hast any sound or use of voice,
Speak to me.
If there be any good thing to be done
That may to thee do ease and grace to me,
Speak to me.
If thou art privy to thy country’s fate,
Which happily foreknowing may avoid,
O, speak!
Or if thou hast uphoarded in thy life
Extorted treasure in the womb of earth,
For which, they say, you spirits oft walk in death,
Speak of it.

stay(他)(古)止まる、待つ
illusion(名)幻覚、幻影、幻
thou(代)なんじは、そなたは(これに伴う動詞はareがart、haveがhastとなるほかは-st、-estの語尾をつける)
hast(動)(古)haveの2人称単数直説法現在形(thouを主語にした時に用いる)・thou hast=you have
any(形)(疑問文・条件節で名詞の前に用いて)(可算の名詞の単数形につけて)何か(どれか)一つの、だれか一人の
sound(名)(単数形で/通例修飾語句を伴って)声、調子
use(名)(またa ~)使用(すること)、利用(法)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
good(形)具合の良い、好適な、望ましい(+to do)
thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと(⇔this)
may(助動)(不確実な推量を表わして)~かもしれない、おそらく~だろう
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
thee(代)(古)なんじを(に)
do(他)(~に)(利益・損害などを)与える、もたらす
ease(名)(身体の)楽、安楽
grace(名)神の恵み、恩寵
art(動)(古)beの主語が2人称・単数thouの時の直説法現在形 ・thou art=you are
privy(形)内々関与(関知)して ・I was privy to the secret. 私は内々その秘密を知っていた。
thy(代)なんじの、そなたの
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
happily(副)(文修飾)運よく、幸運にも、幸いにも(=fortunately)
foreknow(動)前もって知る、予知する
avoid(他)(もの・人などを)避ける、よける、回避する
O(間)(常に大文字で、直後にコンマまたは!は用いない)(驚き・恐怖・苦痛・願望などを表わして)ああ!、おお!、おや!
uphoard(他)(廃)貯蔵する、たくわえる、ため込む(=hoard up)
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中 ・in one's life 自分の生涯で
life(名)生涯、一生、寿命 ・in one's life 一生のうちに、生まれてから(このかた)
extort(他)(力ずく・脅迫などで)(金などを)(人から)奪い取る、ゆすり取る
treasure(名)宝物、財宝(特に蓄えられた古銭・金銀・宝石類)
womb(名)子宮(=uterus)
earth(名)(海に対して)陸地(=ground)
for(前)(原因・理由)~の理由で、~のため(=because of)
they(代)(総称的に一般の人をさして)一般の人々、世人(日本語に訳さないほうがよい場合が多い)・They say that ~だそうだ
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
spirit(名)幽霊、亡霊
oft(副)(古)しばしば、たびたび
walk(自)(幽霊が)出る
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
death(名)死んだ状態
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について

The cock crows

cock(名)おんどり ・the cock crows 鶏が時を作る
crow(自)(おんどりが)鳴く、時を作る ・The cock crowed. 鶏は時を作った。

Stay and speak. Stop it, Marcellus.

Marcellus マーセラス(男子名)
【参考文献】
Hamlet』William Shakespeare・著(Penguin Classics)
新訳 ハムレット (角川文庫)河合祥一郎・訳
ハムレット (対訳・注解 研究社シェイクスピア選集8)』大場建治・編注訳(研究社)
ハムレット (研究社小英文叢書 (173))』小津次郎・注釈(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)