連休中は、ブルーレイで『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を見た。
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: Blu-ray
監督はボブ・ラフェルソン。
原作はジェームズ・M・ケイン。
脚本は、『評決』『アンタッチャブル』のデヴィッド・マメット。
撮影は、『サクリファイス』のスヴェン・ニクヴィスト。
主演は、『イージー・ライダー』『チャイナタウン』『カッコーの巣の上で』『シャイニング』『レッズ』『愛と追憶の日々』の大スター、ジャック・ニコルソンと、『キングコング(1976)』『トッツィー』のジェシカ・ラング。
本作公開当時、僕は未だ小学生だったが、朝のFMラジオで本作の宣伝をしていたことを覚えている。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」という変わったタイトルだったので、印象に残ったんだな。
内容は全く知らなかったが。
本作の有名な映画化は三つある。
1942年のルキノ・ヴィスコンティ版は未見、1946年版のテイ・ガーネット版は以前、ブルーレイで見た。
そして、81年版は今回が初見である。
46年版はハードボイルド・タッチだったが、81年版は官能描写が話題となった。
まあ、実際、主役の二人の恋愛が(より)メインになっている。
ワーナー・ブラザーズ。
カラー、ワイド。
不安げな音楽が流れる。
舞台は1930年代のアメリカ・カリフォルニア。
夜道、ヒッチハイクをする流れ者のフランク(ジャック・ニコルソン)。
朝、車に乗せてくれた男に、「お礼にお茶をおごる」と言って、一緒にカフェに入る。
フランクがトイレでタバコを吸い、出て来ると、男はいない。
店主で初老のニックに訊くと、「出て行った」という。
しかも、フランクの財布を持って。
やられた!
フランクは仕事でロスへ向かう途中だった。
彼の仕事は機械工。
店には、ニックの若い妻・コーラ(ジェシカ・ラング)もいた。
美人だ。
ニックはフランクに、「車の修理工として住み込みで働かないか」と持ち掛ける。
フランクはロスで仕事を済ますと、また戻って来た。
コーラはヘビースモーカーであった。
この店には飼い猫がいる(これが重要な伏線)。
フランクは結局、この店で働くことになった。
若くて美人のコーラが気になって仕方がない。
夜、フランクはニックとワインを飲む。
ニックはフランクを気に入ったようだ。
しかし、既に酔っ払ってベロベロになっている。
ニックはとにかく酒が大好きであった(これも重要な伏線)。
フランクは自分の部屋に戻ると、母屋の2階のニック夫婦の寝室を仰ぎ見る。
朝、店の古い看板が落ちている。
フランクは、「派手なネオン付きにして人目を引こう」と提案する。
ギリシア移民であるニックは、英語に訛りがあって、「ネオン」とうまく発音出来ない。
ニックが用事で出掛けた。
フランクは店のドアにカギを掛ける。
台所でコーラに襲い掛かる。
最初は抵抗していたコーラも、結局は受け入れる。
長々と二人のラブ・シーンが続く。
夜、ニックが帰って来る。
コーラが寝室を抜け出して階下の台所へ行くと、フランクがいる。
抱き合う二人。
しかし、ニックがコーラを呼んだので、ここで終わる。
翌朝、ニックが「明日、帰る」と言って出掛けた。
コーラはフランクを誘惑する。
フランクは、「シカゴへ行こう。今すぐ荷物をまとめろ。」
駅のある街では、ギャンブルが行なわれていた。
文無しのフランクは、コーラに「カネをくれ」と言う。
やっと貯めたお金を失いたくないコーラは「いやよ」と言うが、フランクは、シカゴ行きの切符を払い戻して、強引にカネを作る。
とにかく、フランクというのは粗野な男だ。
ギャンブルに勝ったフランクは待合室に戻るが、コーラはいない。
翌日、フランクもコーラも店に戻っている。
フランクは、ギャンブルで稼いだカネをコーラに渡す。
コーラは、「(旅行に行っても)どうせ(夫に)見付かったわ」とフランクに告げる。
彼女にとって結婚生活は諦めであった。
「私はあなたのものよ。もし二人きりなら。」
「何を言っている?」
「善悪なんて関係ないわ。」
「死刑になるぞ。」
要するに、ニックを殺そうというのだ。
ネオンの看板が完成した夜、フランクは袋に重りを入れて凶器を作り、コーラに渡す。
店の中からカギを掛け、「危険な時は二度ベルを鳴らす」と彼女に告げる。
シャワーを浴びているニックに迫るコーラ。
外では、フランクが2階にハシゴを掛けて見張っていた。
そこへ、運悪く自転車で見回りの警官がやって来て、フランクに話し掛ける。
早く行ってくれ!
一方、コーラがニックを殴った瞬間、停電が起き、真っ暗になる。
パニックになるコーラ。
フランクが駆け寄ると、ニックは血を流して倒れていた。
結局、ニックは助かり、一週間入院することになった。
殴られた時の記憶はないらしい。
フランクとコーラが病院から帰る車を警察が尾行している。
「振り向いたら、私たち死刑よ。」
翌日、警官が店に調べに来た。
2階の窓の下では、飼い猫が感電死していた。
ネオンのために設置したヒューズにネコが足を突っ込んだのだ。
可哀想に。
それが停電の原因であった。
抱き合うフランクとコーラ。
翌朝、コーラは病院へニックの見舞いに行く。
ニックがいない間、フランクとコーラは店を切り盛りし、買い物に行ったり、池でボート遊びをしたり、二人でよろしくやっていた。
もちろん、セックスも。
しかし、最後の夜、「今夜はしたくないわ。」
「二人の最後の夜だぞ。」
「わかってるわ。」
結局、何もせずに眠る二人。
ニックが帰って来てから、コーラはフランクに口を聞いてくれなくなった。
たまりかねて、ギリシアの同胞達のパーティーの時に、フランクは彼女に話し掛ける。
だが、「旦那が戻って来たから終わりよ。」
一方、ニックは二人の関係など露知らず、パーティーの出席者に「フランクがわしの命を救ってくれた!」と大々的に紹介する。
その夜、例によって酔っ払ったニックは、コーラに抱き付く。
それが彼女には耐えられない。
コーラが台所に降りて来ると、フランクが置き手紙を書いて、出て行こうとしていた。
泣くコーラ。
「彼、子供が欲しいって。あの事故で変わってしまった。あなた以外の子なんて。行かないで。」
まあ、不倫なんて、勝手にやってろって感じだが。
粗野なフランクと激情型のコーラ。
まあ、順調には行かんわな。
で、結局、二人は再度、ニック殺しを決意する。
夜、車に乗った3人。
ガソリンスタンドで給油するも、ニックとフランクは酔っ払っている。
コーラが「私が運転するわ。」
もちろん、これはアリバイ作りであった。
それにしても、今より大分、飲酒運転に対して寛容だな。
コーラが運転し、ニックが助手席に、フランクが後部座席にいる。
フランクは酔って眠っているフリをしている。
コーラは「車がオーバーヒートした」と言って、車を停め、降りる。
そして、フランクが後ろからニックの頭をスパナで殴る。
崖の上からフランクとコーラが車を押して下に落とす。
それから、二人で殴り合って、衝突のキズを作る。
「事故よ!助けて!」と夜道を走って、他の車を呼びに行くコーラ。
さあ、これからどうなる?
まあ、こんなやり方でうまく行く訳はないのだが。
結末は、46年版より少し手前で終わっていて、やはり犯罪映画ではなく、恋愛映画にしたかったのだろう。
ジャック・ニコルソンが、なかなかオシャレで、いいスーツを着ている。
労働者階級なのに。
30年代の衣装やセットや車を揃えたので、カネは掛かっているのだろう。
余談だが、「Coca Cola」や「7 up」はこの時代からあったんだな。
The Postman Always Rings Twice (1981) - Trailer 1