『黄金時代』

この週末は、ブルーレイで『黄金時代』を見た。

1930年のフランス映画。
監督・脚本・編集は、『アンダルシアの犬』のルイス・ブニュエル
脚本は、『アンダルシアの犬』のサルバドール・ダリ
『アンダルシアの犬』に続く、ルイス・ブニュエルの監督第2作。
『アンダルシアの犬』は今までに何度か見たことがあるが、本作を見たのは初めて。
以前も書いたように、僕は前衛芸術には全く興味がない。
本作は、『アンダルシアの犬』を長くしたような感じである。
相変わらず、さっぱり分からない。
キリストを冒涜しているとかで、公開からまもなく、50年間上映禁止になった。
確かに、最後の方にキリストに似たオッサンが出て来るが。
ブニュエルは何の意図があって、こんな映画を作ったのか。
単に物議を醸したかっただけなのか。
まあ、そんなことを考えている時点で、相手の術中にはまってしまっている訳だが。
自称「映画通」みたいな人は、こういう分からない映画をありがたがって、さももっともらしく解釈して見せたりするが。
僕は別に映画通でも何でもないので、分からない映画は分からないままで一向に構わない。
そして、『2001年宇宙の旅』みたいに、分からないながらも、何かとてつもないスゴさを感じさせる作品もあるが、本作には特に何も感じなかった。
要するに、ちっとも面白くなかったのである。
僕は趣味で映画を見ているので、面白くない映画はそれで終了だ。
それ以上、追求するつもりはない。
ただ、映画史上有名な作品なので、一度くらいは見ておいてもいいかなというだけ。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
本作は、『アンダルシアの犬』とは違ってトーキーである。
穏やかな音楽が流れる。
「サソリはクモ類の一種で熱帯地域を中心に生息する。」
サソリの観察。
「尾は5つの関節が連なったものである。」
「ハサミは戦いの道具、あるいは捕餌の役目をはたす。」
「尾の最後部には毒針があり、そこから毒が注射される。」
「日中は太陽の光を避け、岩の下に隠れている。」
「孤独を好み、侵入者は容赦なく排除する。」
「その電光石火の見事な攻撃はネズミさえも仕留める。」
ネズミを攻撃するサソリ。
「数時間後…」
海岸。
崖の上。
浮浪者(?)のような男。
銃を持っている。
岩の上では聖職者が何人か、ブツブツと祈りを捧げている。
男は岩場を歩いて小屋へ。
数人の男がいる。
皆、負傷している。
マヨルカ人がやって来た。」
「武器を持て。」
男達、外へ。
歩く途中で、次々に倒れる男達。
残って一人で歩く男。
岩がゴツゴツしている。
海岸に何艘ものボート。
ゾロゾロと上陸する人々。
岩場を歩く。
先程の男達より、服装から明らかに上流階級。
軍人もいる。
ガイコツが数体、見付かる。
さっきの聖職者だ。
突然、女の叫び声。
男に襲われている。
人々が寄ってたかって男と女を引き離す。
男の回想。
女の姿。
水洗トイレ。
溶岩?
小犬。
逃げる男。
小犬を蹴っ飛ばす。
動物虐待だ。
連行される。
何か演説している別の男。
昆虫を踏み潰す男。
『アンダルシアの犬』もそうだったが、不愉快な描写が多い。
箱。
「この石は西暦1930年、マヨルカ人の没地に設置。都市の設立を記すものである。その都市がある国は…」
マヨルカ人の都市。
ローマ帝国
「かつての異教徒の女王が今や教会の正座を占めている。その象徴であるバチカンの風景」
バチカン
『いい条件で住まいを貸してもらえた。いつでも入居できるぞ。早くお前に会いたい。従兄より』という貼り紙。
「この活気あふれる近代都市はローマ帝国を追い越した。」
「日曜日には…」
爆破された建物。
「絵になる華やかな大都会」
バイオリンを蹴っ飛ばしながら舗道を歩く男。
踏み付けて壊す。
頭に何かを載せて歩く男。
ポスターの手と冠が揺れる。
さっきの男が街を連行されている。
男の回想。
ある女。
女は指をケガしている。
父親は薬局に行った。
女は楽団を雇った。
マヨルカの方々が9時にやって来る。
ベッドの上に牛が横たわっている(意味不明)。
牛を追い出す女。
爪を研ぐ女。
連行される男を想う。
男に吠えるワンコ。
男は「私が誰か教えてやる」と言い、上着の内ポケットから書類を取り出して見せる。
驚く両脇の男。
男は国際友好協会特別使節に任命されたのであった。
タクシーを停め、盲目の男性を蹴っ飛ばし(虐待)、タクシーに乗って去る男。
「X侯爵のローマの館ではパーティーの準備が整った。」
男はX(エックス)公爵のローマ帝国の屋敷に到着。
さあ、これからどうなる?
知らん。
基本的に、残酷な描写が多い。
暴力や破壊。
それから、石膏像の男の指を舐める女があった。
これは気持ち悪いが、見ようによってはエロチックとも取れる。
ローマ帝国とかキリストが何故現代に出て来るのか。
知らん。
公開時、スクリーンに向かって右翼が爆弾を投げるという事件が起きたらしいが、何に対してそんなに腹が立ったのか。
キリストを冒涜しているかららしい。
僕は、この映画がちっとも面白くないことに腹が立ったが。

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