『フランクリン自伝』を原書で読む(第8回)

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I disliked the trade, and had a strong inclination for the sea, but my father declared against it; however, living near the water, I was much in and about it, learnt early to swim well, and to manage boats; and when in a boat or canoe with other boys, I was commonly allowed to govern, especially in any case of difficulty; and upon other occasions I was generally a leader among the boys, and sometimes led them into scrapes, of which I will mention one instance, as it shows an early projecting public spirit, tho' not then justly conducted.

dislike(他)(~を)嫌う、いやがる
trade(名)職業、商売
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
strong(形)(精神力・記憶力など)強い、強力な
inclination(名)(~したい)気持ち、意向、思い ・I have a strong inclination for sports. スポーツが大好きだ。
for(前)(対象)(感情・趣味・適性などの対象を表わして)~に対して(する)、~を理解する
my(代)私の
declare(自)(~に反対だと)宣言(断言、言明)する(against)
live(自)住む(場所を表わす副詞句を伴う)
near(前)(場所・時間などを表わして)~の近くに、~に近く
water(名)海
much(副)(tooや前置詞句を修飾して)大いに、非常に
about(前)(周囲を表わして)~のあたりに、~の近くに
learnt(動)learnの過去形・過去分詞
learn(他)(経験などによって)(~を)身につける、覚える(+to do)
early(副)(時間・時期的に)早く ・early in life まだ若い時に
well(副)上手に、うまく
manage(他)(機械などを)操縦する、扱う
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
in(前)(乗り物など)に乗って
canoe(名)カヌー(paddleでこぐ小舟)
commonly(副)一般に、通例、よく
allow(他)(人・ものが)(~するのを)許す、(人・物に)(~)させておく(+目+to do)
govern(自)統治する、支配する、管理する
especially(副)特に、とりわけ
in case of ~ ~の場合には
difficulty(名)難しさ、困難
on(前)(日・時・機会を表わして)~に
occasion(名)(しばしばon ~ occasionの形で)(特定の事が起こった(起こる))時、場合、折
generally(副)普通(は)、通例、通常(=usually)
among(前)~の間に、~の中で、~に囲まれて(通例三者以上の場合に用いる)
lead(他)(~を)(~の状態・結果へ)導く(into)
into(前)(変化・結果を表わして)~に(する、なる)(通例ある物が別の物に形や状態を変えることを表わす)
scrape(名)(自ら招いた)難儀、面倒(=fix)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
mention(他)(~のことを)(口頭または文書で話などのついでに)簡単に述べる、(~を)話に出す、(~に)言及する
instance(名)例、実例、事例、実証(of)
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
show(他)(感情・態度・気配などを)表わす、(好意・感謝などを)示す
early(形)(時期・季節・年代など)初期の ・an early age 若いころ(時、うち)
project(他)(~を)計画する、企画する
public spirit(名)公共心
tho'(接)=though
not(副)(述語動詞・文以外の語句を否定して)~でなく
justly(副)正しく、正当に、妥当に、公正に
conduct(他)(活動・仕事などを)行なう、実施する

There was a salt-marsh that bounded part of the mill-pond, on the edge of which, at high water, we used to stand to fish for minnows.

there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
salt marsh(名)塩性沼沢(地)、塩湿地、塩生草原(牧草地や製塩に利用)
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
bound(他)(~の)境となる
part(名)(part of ~で)(~の)一部(分)(修飾語を伴わない場合はpart of ~のほうが普通/通例この句は後に単数名詞を従える時は単数扱い、複数名詞の時は複数扱いにする)
millpond(名)水車用貯水池
edge(名)端 ・on the edge of ~の端に
at(前)(時の一点を表わして)~に
high water(名)満(高)潮(時)(=high tide)(⇔low water)・at high water 満潮時に(で)
used(助動)(常にto doを伴って)(過去の習慣的行動を表わして)~するのが常であった、~する習わしだった
fish(自)魚を捕らえる、釣りをする ・fish for ~を釣る
for(前)(目的)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
minnow(名)小魚、雑魚

By much trampling, we had made it a mere quagmire.

by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
trample(自)(~を)踏みつける
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
mere(形)ほんの、単なる、まったく~にすぎない
quagmire(名)沼地、じめじめした土地

My proposal was to build a wharff there fit for us to stand upon, and I showed my comrades a large heap of stones, which were intended for a new house near the marsh, and which would very well suit our purpose.

proposal(名)提案
wharff→wharf(名)波止場、岸壁、埠頭(ふとう)(荷の積み降ろしのため船が横づけになる石や木でできた構造物)
fit(形)適当な、ふさわしい(⇔unfit)(+for+代名+to do)
show(他)(人に)(ものを)見せる、示す
comrade(名)僚友、仲間
large(形)(数・量・額など)多数の、多額の
heap(名)(通例a heap of ~またはheaps of ~で)たくさん、どっさり
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
intend(他)(人・ものを)(ある目的に)向けようとする(通例受身で用い、「(~の)つもりである」の意になる)(for)
for(前)(目的)(用途・指定・適否を表わして)~向きに(の)、~用に(の)
marsh(名)沼地、湿地(帯)、沼沢地(帯)
suit(他)(気候・食物などが)(目的・好み・条件などに)合う、適する
our(代)我々の、私たちの
purpose(名)目的、意図

Accordingly, in the evening, when the workmen were gone, I assembled a number of my play-fellows, and working with them diligently like so many emmets, sometimes two or three to a stone, we brought them all away and built our little wharff.

accordingly(副)(接続副詞的に)よって、従って、それゆえに
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中 ・in the evening 晩に
when(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(~すると)その時
workman(名)作業員、職人
gone(形)(人が)いなくなった、行ってしまった
assemble(他)(ある目的で)(人を)集める、集合させる、召集する(=gather)
a number of ~ かなりの~
playfellow(名)遊び友だち(仲間)
work(自)働く、仕事をする
diligently(副)一生懸命に、精を出して、こつこつと
like(前)~のような、~に似た
so many ~ そんなにたくさんの
emmet(名)あり(=ant)
two(代)(複数扱い)二つ、2個(人)
three(代)(複数扱い)3つ、3個(人)
to(前)(対比を表わして)
all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな
away(副)(通例動詞とともに用いて移動・方向を表わして)あちらへ、去って

The next morning the workmen were surprised at missing the stones, which were found in our wharff.

next(形)(時間が)(通例the ~)(過去・未来の一定時を基準にして)その次の、翌~
morning(名)(副詞的に)朝に、午前中に
surprised(形)驚いた、びっくりした(at)
at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて ・be surprised at ~に驚く
miss(他)(~が)ない(いない)のに気づく
find(他)(探して)(人・ものを)見つけ出す

Inquiry was made after the removers; we were discovered and complained of; several of us were corrected by our fathers; and, though I pleaded the usefulness of the work, mine convinced me that nothing was useful which was not honest.

inquiry(名)調査、取り調べ ・make an inquiry 調査を行なう
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される)
after(前)(目的・追求を表わして)~のあとを追って、~を求めて、~を追求して
remover(名)移動者、移転者、転居者
complain(自)不平を言う、ぐちをこぼす
several(代)(複数扱い)いくつか、数個、数人、数匹
of(前)(部分を表わして)~の中の
correct(他)(子供などを)(矯正しようとして)(~のことで)しかる
plead(他)(~であると)弁解する、言い訳に言う
usefulness(名)<useful
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
mine(代)私のもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)
convince(他)(人に)(~を)確信させる(+目+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
honest(形)(顔・行為など)正直(誠実)さが表われた

I think you may like to know something of his person and character.

think(他)(~と)思う、考える(+that)
may(助動)(不確実な推量を表わして)~かもしれない、おそらく~であろう
like(他)(~を)好む、(~が)好きである(+to do)
something(代)(~の)いくらか、少し、いくぶん(of)
his(代)彼の
person(名)(通例単数形で)風采(ふうさい)

He had an excellent constitution of body, was of middle stature, but well set, and very strong; he was ingenious, could draw prettily, was skilled a little in music, and had a clear pleasing voice, so that when he played psalm tunes on his violin and sung withal, as he sometimes did in an evening after the business of the day was over, it was extremely agreeable to hear.

have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている ・She has a sweet voice. 彼女は美しい声をもっている。(この構文では「彼女は美しい声をしている」「彼女は声が美しい」と訳すことができる)
excellent(形)優れた、一流の、すばらしい
constitution(名)構成、組織、構造(=structure)(of)
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
middle(形)中位の、中間の、中流の、並の ・of middle height 中背の
stature(名)(人の)身長、背丈 ・be of short stature 背が低い
well(副)満足に、よく、申し分なく(⇔ill、badly)
set(他)(副詞句を伴って)立てる、のせる
strong(形)強健ま、強壮な、丈夫な(⇔weak)
ingenious(形)(人が)利口な、発明の才に富む
draw(自)(~で)絵を描く、製図する
prettily(副)きれいに、美しく、みごとに
skilled(形)熟練した、腕のいい ・He's skilled in music. 彼は音楽に熟練している。
little(副)(a ~で肯定的用法で)少し、少しは
in(前)(性質・能力・芸などの分野を限定して)~において、~が
clear(形)(音・声など)はっきりした、さえた
pleasing(形)愉快な、心地よい、満足な
so that(結果の副詞節を導いて)それで、そのため
play(他)(曲を)(楽器で)演奏する(on)
psalm(名)賛美歌、聖歌(特に旧約聖書の「詩篇」中の各篇を指す)
tune(名)曲
on(前)(方法・手段・器具を表わして)~で、~によって ・play a waltz on the piano ピアノでワルツをひく
violin(名)バイオリン ・play a piece on the violin バイオリンで曲を弾く
sung→sang
withal(古)(副)そのうえ、同時に
as(接)(譲歩を表わして)~だけれども、~ながらも(=though)
do(自)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)(同一の動詞(およびそれを含む語群)の反復を避けて)
after(接)(~した)後に(で)、~してから
business(名)(やるべき)仕事、職務、務め、本分
over(形)終わって、済んで、過ぎて
extremely(副)(強意的に用いて)とても、すこぶる(=exceedingly)
agreeable(形)快い、感じ(愛想)のよい(=nice/⇔disagreeable)

He had a mechanical genius too, and, on occasion, was very handy in the use of other tradesmen's tools; but his great excellence lay in a sound understanding and solid judgment in prudential matters, both in private and publick affairs.

mechanical(形)(人が)機械に明るい
genius(名)(a ~)(~に対する)特殊な才能、(~の)才
on occasion 折にふれて、時折(=occasionally)
handy(形)(手先が)器用で、手際がよくて、(使いこなすのが)上手で
use(名)(またa ~)使用(すること)、利用(法)(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
tradesman(名)(英)商人
tool(名)道具、工具 ・the tools of one's trade 商売道具
great(形)(能力・価値・重要性など)偉大な、すぐれた、卓越した
excellence(名)卓越(していること)、優秀
lie(自)(副詞句を伴って)(原因・力・本質などが)(~に)ある、存する(in)
sound(形)(理論・判断など)しっかりした、確実な根拠のある(=reliable)・sound judgment しっかりした判断
understanding(名)(またan ~)理解、会得
solid(形)堅実な、手堅い、安定した
judgment(名)判断(すること)、審査
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
prudential(形)(特に、業務などに)慎重な、細心な
matter(名)問題(=affair)
both(副)(both ~ and ~で相関接続副詞として)~も~も(両方とも)
private(形)私的な、個人に属する(⇔public)
and(接)(等位接続詞)(both ~ and ~で)(~も)~も
publick→public
affair(名)(漠然と)こと、出来事、事件(=matter)

In the latter, indeed, he was never employed, the numerous family he had to educate and the straitness of his circumstances keeping him close to his trade; but I remember well his being frequently visited by leading people, who consulted him for his opinion in affairs of the town or of the church he belonged to, and showed a good deal of respect for his judgment and advice: he was also much consulted by private persons about their affairs when any difficulty occurred, and frequently chosen an arbitrator between contending parties.

in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
latter(形)(the ~)(代名詞的に用いて)後者(単数名詞を受ける場合には単数扱い、複数名詞を受ける場合には複数扱い)
employ(他)(通例受身で)(~に)従事する(in)
numerous(形)(単数形集合名詞を伴って)多数から成る、大勢の(=large)・a numerous family 大家族
family(名)(またa ~)(一家の)子供たち ・He has a large family. 彼は子だくさんだ。
have to do(~)しなければならない
educate(他)養う
straitness(名)<strait(形)困難な、窮迫した
circumstance(名)(通例複数形で)(経済的・物質的な)境遇、暮らし向き
keep(他)(人を)引き留めておく
close to ~ ~に接して
remember(他)(~を)覚えている、記憶している(+doing)(過去の出来事に言及する時に用いて)
frequently(副)しばしば、たびたび、頻繁に
leading(形)主要な、主な
people(名)(複数扱い)(通例修飾語またはtheを伴って)(特定の場所・階級・団体・職業・民族などに属する)住民、人々
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
consult(他)(専門家に)意見を聞く、助言を求める
for(前)(対象)(関連を表わして)~について(は)、~の場合には
opinion(名)意見、見解
church(名)(キリスト教の)教会(堂)、聖堂
belong(自)(~に)属する、(~の)ものである(to)
to(前)(付属・関連・関係を表わして)~の、~に(とっての)
good(形)(強意語として)(通例a ~)十分な
deal(名)(a good deal of ~で)かなり(ずいぶん)たくさんの~
respect(名)(またa ~)敬意、尊敬(⇔disrespect)(for)
much(副)(過去分詞を修飾して)大変に、非常に、大いに
their(代)彼ら(彼女ら)の
any(形)(疑問文・条件節で名詞の前に用いて)(可算の名詞の単数形につけて)何か(どれか)一つの、だれか一人の
difficulty(名)困難なこと、難事、難点
occur(自)(事が)(~に)起こる、生じる、発生する
choose(他)(もの・人を)選ぶ、選択する(+目+補)・We chose him our representative. 彼を我々の代表に選んだ。
arbitrator(名)仲裁人
between(前)(分配・共有・関係などを表わして)~の間で、共同で
contend(自)(人と)(~を求めて)争う、競う
party(名)(契約・紛争などの)関係者、当事者

At his table he liked to have, as often as he could, some sensible friend or neighbor to converse with, and always took care to start some ingenious or useful topic for discourse, which might tend to improve the minds of his children.

as ~ as one can できるだけ
sensible(形)(人・行動など)分別のある、思慮のある、賢明な、道理にかなった
converse(自)(人と)(~のことで)談話を交わす(with)
with(前)(接触・交際・結合などを表わして)~と
take care 注意する、気をつける/(+to do)・We took care not to be seen by anybody. 我々はだれにも見られないように注意した。
start(他)(~を)始める、開始する
topic(名)話題、話の種、テーマ、トピック
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
discourse(名)談話、対話
might(助動)(主に間接話法の名詞節中で、時制の一致により)(不確実な推量を表わして)~かもしれない
tend(自)(もの・人が)(~する)傾向がある、(~し)がちである(+to do)
improve(他)(~を)改良する、改善する、進歩(上達)させる ・improve one's mind 精神(心)(の働き)を向上させる
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『裁かるるジャンヌ』

この週末は、ブルーレイで『裁かるるジャンヌ』を見た。

1928年のフランス映画。
監督はカール・Th・ドライヤー。
撮影は、『ギルダ』のルドルフ・マテ。
主演はルネ・ファルコネッティ。
僕が本作のタイトルを初めて知ったのは、小学校4年生の時、地元の図書館でキネマ旬報から出ていた『映画史上ベスト200シリーズ』という本で見た時だ。
あの有名な、峯岸みなみのような丸刈りのジャンヌの顔写真が強烈に印象に残った。
学生の頃は、早稲田通りにあったACTミニシアターで毎週、他の無声映画の名作と共に本作をオールナイトで上映していた。
僕はACTミニシアターの年間会員(1年間観放題)であったが、結局一度も観ることはなかった。
サイレント映画の最高峰」とも言われる本作を、「いつかは見なければ」と思っていたが、今回、ようやく見ることが出来た。
ジャンヌ・ダルクについては、高校の世界史で習ったはずだが、恥ずかしながら、全く覚えていない。
要するに、教会から異端とみなされ、それを認めなかったから、火あぶりになったんだな。
その前提を知らないと、全く話しが分からない。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質は良い。
悲壮な音楽が流れる(僕が見たのは、2016年のサウンド版)。
ジャンヌ・ダルクの裁判」の詳細な資料が発見され、正確な記録だという字幕。
この資料が、実に細かい文字でびっしり書かれている。
彼女の真実の姿、教会権力との対決を描く。
足を鎖でつながれたジャンヌ・ダルク(ルネ・ファルコネッティ)。
髪の毛が短く、辻元清美にしか見えない。
本作は、顔のアップを多用している。
非常にインパクトがある。
登場人物の心理の動きを、表情から読み取れる。
これが、映画史上で本作が評価されている一番の理由だろう。
あと、カメラが自在に移動する。
で、いきなり裁判から始まる。
狭い裁判所の中なので、舞台を観ているようだ。
ジャンヌのことを嘲笑する異端審問官達。
全編を通して、目に涙を溜めたジャンヌの表情がスゴイ。
彼女は、自分が神の声を聞いたと主張している。
それを本気で信じている。
今考えると、頭のおかしな人である。
麻原彰晃と大差ない。
僕だけじゃなく、信仰心の薄い多くの日本人には理解出来ないだろう。
審問官は、事細かな内容を質問する。
質問というより、詰問である。
例えば、「お前が見た天使の姿はどうだったか」とか。
一人だけ、彼女に敬意を表して、ひざまずく者がいる。
しかし、審問官は、彼女の答えに「神への冒涜だ!」と怒り、つばを吐きかける。
余談だが、画質はレストアされているので非常に良いが、画面の四隅に光が当たっていない。
非常に重いトーンで、裁判のやり取り以外に説明はないから、音楽がないとキツイ。
僕は完全な無神論者なので、「信仰」というのは狂気だと思う。
「神はお前にどんな約束をした?」
「罪を認めさせろ!」という審問官の圧力。
その時、窓から差し込んで来た光が、窓の格子の陰をまるで十字架のように映し出す。
これが彼女の信仰心をより強く固めさせる。
裁判の記録は羽ペンで書かれるが、一字一字を書くのが大変そうだ。
昔の人が文章を書くというのは大変だったんだな。
ジャンヌの指輪が没収されるが、それは返してもらえる。
裁判が終わると、途端に字幕が少なくなる。
シャルル王から彼女宛ての手紙が送られて来たという(ニセモノ)。
しかし、ジャンヌは「私は字が読めません」。
シャルル王が派遣したという忠実なる司祭。
「お前は神の娘か?」
「ウィ。」
「牢屋から出られると神はお前に告げたのか?」
「ウィ。」
彼女は神による救いを確信している。
「それでは、教会は必要ないのでは?」
それに対しては、彼女に迷いがある。
「ミサを行う許可を与えて下さい」と言うジャンヌには、明白に「ノン」。
ジャンヌは男性の格好をしている。
「衣服を着替えよ」と命令されるも、拒否する。
「お前は神の娘ではない。サタンの手先だ!」
「拷問の準備をしろ!」という命令。
拷問部隊は楽しそうである。
ジャンヌは、草で作った冠をかぶせられる。
彼女は、とにかくずっと泣いている。
泣き方にも、変化がある。
映画史に残る名演だ。
そして、拷問室へ。
まるでSM部屋のようである。
あらゆる拷問の道具が揃っている。
美術を担当したのは、『カリガリ博士』の人らしい。
ジャンヌは、「(審問官よりも)神の方が賢い」と言う。
「お前の啓示は神からではなく、悪魔からのものだ!」
審問官はジャンヌに、「異端だと認めるか?」と迫る。
しかし、彼女はその書類に署名出来ない。
教会との対立。
拷問用のたくさんのトゲが付いた大きな車をグルグルと回す拷問執行係。
それでも、彼女は自分が異端だと認めない。
しかし、グルグルと回り続ける車。
やがて、彼女はその場で気を失って倒れる。
さあ、これからどうなる?
この後、生々しい瀉血シーンがある。
血がピューッと吹き出る。
中世のヤブ医者が行なった非科学的な治療法だ。
彼女はどこまでも教会を批判する。
「あなた方こそ悪魔の使いだ」と。
これが、相手を逆上させる。
ハムレット』のように墓掘りがある。
掘り出されたドクロにはウジ虫がはっている。
ジャンヌは、「きれいな土に埋めて欲しい」と言ったのに。
彼女は、生きたまま火あぶりにされるという。
信仰心は強いが、やはり死ぬのは怖い。
彼女はとうとう署名してしまう。
字は読めなくても、署名は出来るのか。
そして、終身刑を言い渡され、丸刈りにされる。
『フリークス』のような見世物の人達も多数登場する。
中世の風俗にはかなり忠実に作ったらしい。
ジャンヌは、一旦異端だと認めた後、やはり神を畏れる気持ちが湧いて来る。
本当に怖いのは教会ではない。
本作には、授乳シーンもある。
それから、群衆シーンがスゴイ。
聖女の死を知った民衆の暴動。
国家権力が罪もない一般大衆を叩きのめす。
この構図は、現代も何ら変わらない。
ジャンヌの火あぶりの過程が非常に生々しく、執拗に描かれている。
サイレント時代から芸術映画はあったのだなあ。
しかし、教会権力が一人の若い女性を残酷に殺したのは決して許されることではないが。
ありもしない神の言葉を主張して民衆を扇動するのはどうなんだろう。
宗教は人間を不幸にする。
中世のヨーロッパなんて、不幸しかない。
裁かるるジャンヌ
「パリの下院図書館に奇妙な資料がある。『ジャンヌ・ダルクの裁判』彼女を有罪とし、死刑判決を下した裁判の過程を記録した尋問調書である。」
「審問官らの質問とジャンヌの答えがここに大変正確に記録されている。」
「これを読むと、彼女の本当の姿が分かる。勇ましい武将ジャンヌではなく、ありのままの人間としての彼女。祖国のために死んだ若い女の姿である。」
「我々は感動的なドラマに立ち会う。信心深い若い女がたった一人で老練な神学者や法律家たちと対決するドラマである。」
「真実を述べることを誓います。」
「真実だけを」
「洗礼名はジャンヌ」
「郷里ではジャネットと呼ばれていました。」
「年令は?」
「19才…だと思います。」
「主祷文は唱えられるか?」
「誰に教わった?」
「母です。」
「唱えてみなさい。」
「お前は神から遣わされたと?」
「フランスを救うため…」
「そのために私は生まれました。」
「では神は英国人を憎んでいると思うのか?」
「神が英国人を愛しているか憎んでいるのか、私には分かりません。」
「1つだけ分かるのは英国人は全てフランスから追い出されるということ。」
「フランスで死ぬ者を除いて。」
「聖ミカエルがお前の前に現れたそうだが、彼はどんな姿をしていた?」
「翼があったか?」
「王冠をかぶっていたか?」
「何を身につけていた?」
「どのように男か女かを見分けることができた?」
「裸だったのか?」
「神が何か身につけさせるとはお考えになりませんか。」
「髪は長かったか?」
「なぜ彼が髪を切らせるのですか?」
「なぜお前は男の格好をしたのだ?」
「ドレスを与えられたら着るつもりはあるか?」
「神の御意志をやりとげたら再び女の服を身につけます。」
「では男の格好をせよと命じたのは神だと言うのだな。」
「神からどんな報酬を期待している。」
「魂の救済です。」
「これは神への冒瀆だ。」
「恥ずべきことを」
「彼女は聖女だ。」
「神はお前に何か約束してくれたのか?」
「それは裁判に関係ないことです。」
「審問官の決定を仰ぐことにするか。」
「評決にするか。」
「神はお前にどんな約束をなさった?」
「牢屋から出られるとでも約束して下さったのかね。」
「いつ?」
「何時だったのかも」
「分かりません。」
「素直に罪を告白しようとしないのだから、術策をもって己れの罪を認めさせねばならない。」
「シャルル王の署名入りの手紙が必要だ。」
「私の言う通りに書きなさい。」
「お前にはとても同情しているのだ。」
「王の署名が分かるかね。」
「王からお前に宛てた手紙がある。」
「私は字が読めません。」
『親愛なるジャンヌへ』
『大軍を集めルーアンを攻撃する準備をしている。』
『この忠実なる司祭をそちらに送る。彼を信頼するように。』
「イエスが神の息子であるように、お前は神の娘であると?」
「主祷文を唱えるか?」
「牢屋から出られるだろうと神はお前に告げたのか?」
「大いなる勝利をもって!」
「お前が天国に行くと神は言われたのか?」
「すると救いを確信しているのだな。」
「お気をつけなさい。その様に答えることは危険です。」
「救われると確信しているなら、お前に教会は必要ないのだな。」
「お前はすでに神の恩寵を受けているのか。」
「神の恩寵を受けているのか、答えなさい。」
「もしそうなら私がそこに留まれますように。」
「そうでないなら、どうか恩寵をお授け下さい。」
「どうか…」
「ミサを行う許可を与えて下さい。」
「ジャンヌ、ミサの許可を与えてもよいが…」
「1つ条件がある。衣服を着替えるのだ。」
「するとその衣服はミサより大切ということか。」
「その忌まわしい格好」
「神に対する侮辱だ。」
「お前は神の娘ではない。」
「お前はサタンの手先だ!」
「拷問の準備をしろ。」
「神の娘のように見えるぜ。」
「拷問室」
「審問官を見なさい。」
「この学識ある博士たちはお前より賢いと思わないか。」
「でも神の方が賢いはずです。」
「お前の啓示は明らかに神からのものではなく…」
「悪魔からのものだ。」
「善の天使と悪の天使をお前はどうやって見分ける。」
「お前がひざまずいたのは聖ミカエルではなく、悪魔だったのだ!」
「お前に顔を向けたのがサタンだと分からないのか。」
「サタンはお前を騙し…」
「そして裏切ったのだ。」
「やっと異端誓絶書に署名する気になったようだ。」
「教会は手を差し伸べる。」
「だが背を向けるなら教会はお前を見捨て、お前は一人になる。」
「一人ぼっちだ。」
「ええ、一人です。」
「神のもとで一人です。」
「あなた方が私の肉体から魂を引き抜こうとも、私は意見を撤回しません。」
「後になって撤回するようなことがあるとしても、無理やりそうさせられたと言うでしょう。」
以下、後半。

La Passion de Jeanne d'Arc - trailer

『黄金狂時代』

この週末は、ブルーレイで『黄金狂時代』を再見した。

黄金狂時代 The Gold Rush [Blu-ray]

黄金狂時代 The Gold Rush [Blu-ray]

  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: Blu-ray
1925年のアメリカ映画。
監督・製作・脚本・主演は、『キッド』『巴里の女性』の偉大なる喜劇王チャールズ・チャップリン
なお、このディスクに収録されているのは、1942年に製作されたサウンド版で、チャップリン自身による音楽とナレーションが加えられている。
共演は、『キッド』『巴里の女性』のヘンリー・バーグマン、『キッド』のアルバートオースチン
モノクロ、スタンダード・サイズ。
優雅で穏やかな音楽が流れる。
画質は良い。
ゴールド・ラッシュの時代、多くの人々が一攫千金を夢見てアラスカへやって来た。
雪の峠を登るエキストラの列をロングで捕らえたシーンは、映画史上に残っている。
まるで『八甲田山』のようだ。
一方、チャーリー(チャップリン)は、いつもの格好で雪のガケ道を軽々と歩いている。
クマが現れたりするが、全く意に介さない。
バックに流れているのは、あの「♪誰かさんと誰かさんが麦畑」の曲ではないか。
ここは、かなりの山深い奥地である。
雪道で迷って、死んだ者もいると看板に注意書きがある。
その頃、探検家のビッグ・ジム(マック・スウェイン)は、ついに金鉱を見付けた。
なお、この人は体型が芋洗坂係長のようである。
猛吹雪の中、チャーリーは、お尋ね者の悪党ブラック・ラーセンが居座る山小屋へ転がり込む。
中には、ワンコもいるのが微笑ましい。
そこにあった鶏肉にかぶり付くチャーリー。
「出てけ!」と迫るビッグ・ジムだが、外は猛吹雪で出て行けない。
そこへ、テントが飛ばされてしまったビッグ・ジムもやって来る。
彼は、悪党の脅しにも屈しない。
ラーセンとビッグ・ジムの取っ組み合いで、二人が握ったライフルの銃口が常にチャーリーの方を向き、逃げ惑うチャーリー。
お決まりのドタバタ・コントである。
ビッグ・ジムは「俺はここにいる」と言って、居座る。
食べ物がないので、彼らは飢えが極限に達していた。
小屋が猛吹雪できしむ。
チャーリーは、ろうそくに塩を掛けて食う。
当時のろうそくは、獣脂だか蜜蝋だかで出来ていて食えたのだろう。
塩の瓶が、現在の日本のスーパーで売られているものと同じ形だ。
3人は、カードのくじを引いて、一番少ない数が出た者が食べ物を探しに行くことにする。
結果、ラーセンが負け、ワンコを連れて出て行く。
しかし、悪党のラーセンには、捜査の手が迫っていた。
猛吹雪の中、彼を追う二人の刑事がテントの中にいる。
ラーセンは刑事を銃殺し、彼らの物資を奪う。
さすが悪党だ。
その頃、感謝祭を祝うために、小屋のチャーリーとビッグ・ジムは、チャーリーの片側の靴を煮て食う。
これも、映画史上有名なシーンである。
しかし、幾ら煮たからといっても、本当に靴なんか食えるのだろうか。
これは、実話に基づいているらしいが。
いよいよ食い物がなくなって、ジムは幻覚を見るようになる。
何と、チャーリーがニワトリに見えるのだ。
このニワトリの着ぐるみを着たチャップリンも有名。
捕まえようと追うジムから逃げるチャップリン
最早、ジムは鶏でなくて人間でも食おうとする勢いだ。
チャーリーは銃を構える。
その時、小屋にクマが入って来る。
それを撃つチャーリー。
画面には映らないが、これで彼らは当座の食糧を得たようだ。
その頃、ラッセンはジムの金鉱を見付ける。
チャーリーとジムは二手に分かれて金鉱へ向かっていたが、先に到着したジムとラッセンが対決する。
やられるジム。
しかし、悪は長く続かない。
ラッセンはガケが雪崩で崩れて死ぬ。
このシーンも、当時としては最新の技術を導入して撮ったのだろう。
続いて、極北の町の酒場で働く娘ジョージアジョージア・ヘイル)。
彼女に言い寄る女たらしのジャックを嫌っている。
チャーリーは、彼女の働く酒場にやって来る。
靴が片方なく、布でグルグル巻きにしているので、痛風患者のようである。
とにかくジョージアは、ジャックのことが嫌いなので、まともな男と結婚して、とっとと酒場を辞めたいと思っている。
彼女は、言い寄るジャックに恥をかかせるために、たまたまその場にいたチャーリーと踊る。
むすぼらしいチャーリーは夢のよう。
ぶかぶかのズボンがずり落ちるので、腰を縛ろうとして手に取ったヒモは、大型犬をつないであるものだった。
そこへニャンコがやって来て、大型犬と追いかけっこを始めたので、引っ張られてチャーリーは転倒する。
ジョージアは大ウケ。
まあ、こんなのは文章で書いても何の面白みもないが、チャップリン映画の定番のコミカルな動きだ。
そして、ジャックを袖にするジョージア
彼女の気を引けなかったジャックは、チャーリーに対して怒りを露わにする。
二人の取っ組み合いが始まるが、ジャックは落ちて来た柱時計に当たってノック・ダウン。
喝采の中、一人酒場を後にするチャーリー。
この辺が、チャップリン映画に特有の、笑いの後の哀愁だな。
酒場の近くにある鉱山技師のハンク(ヘンリー・カーティス)の小屋では、豆料理を作っていた。
豆の匂いに吸い寄せられるように小屋の前を通り掛かったチャーリーは、一計を案じ、小屋の前で倒れて死んだフリをした。
ハンクに助けられたチャーリーは、小屋に招き入れられ、豆料理を食べる。
その頃、ジムは意識を回復したが、記憶を失っていた。
チャーリーは、ハンクの小屋の留守番を頼まれる。
たまたま小屋の前で女友達と雪合戦をしていたジョージアと再会。
さあ、これからどうなる?
この後、有名なロールパンのダンスや、ガケの上の小屋のシーンなどがある。
特に、ガケの上の小屋のシーンは、ドリフのコントにしか見えない。
まあ、ドリフがチャップリンを参考にしたのだろうが。
ガケの上の小屋は、ミニチュアの外観と、キャストがいる実物大のセットを編集で見事につなげている。
今見ても、非常に完成度の高い特撮である。
本作は、最初は雪山でロケを始めたのだが、チャップリンが風邪を引くなどして、2週間で挫折。
その後は、スタジオに雪山のセットを作って撮影した。
このセットも、広大なものである。
コメディーだが、相当な製作費と撮影期間を掛けている。
まあ、言い古された言葉だが、コメディー映画に必要な要素は、既にチャップリンが全てやり尽くしているということだな。
そして、チャップリンの映画は「ヒューマン・コメディー」だ。
まあ、本作の結末は、「結局、世の中はカネ」と取れなくもないが。
本作は、チャップリンの代表作とされているが、それは便宜上で、チャップリンの映画はみんな代表作だろう。
シェイクスピアだって、一応『ハムレット』が代表作とされているが、『ロミオとジュリエット』も『ヴェニスの商人』も『リア王』も、みんな代表作だ。
余談だが、日本では紅白歌合戦のお陰で、「蛍の光」が流れてから年が明けるが、海外では、新年を迎えてから「蛍の光」を歌う。

Charlie Chaplin - The Gold Rush (Trailer)

『フランクリン自伝』を原書で読む(第7回)

(テキスト6ページ、5行目~)

The whole appeared to me as written with a good deal of decent plainness and manly freedom.

whole(名)(the ~)全部、全体
appear(自)(~(のよう)に)見える、(~と)思われる(+補)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~にとっては、~には
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
good(形)(強意語として)(通例a ~)相当な、かなりの
deal(名)(a good deal ~で)かなり(ずいぶん)たくさんの~
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
decent(形)見苦しくない、良識にかなっている、ちゃんとした、きちんとした(=respectable/⇔indecent)
plainness(名)<plain(形)明白な、わかりやすい、明瞭な(=clear)
manly(形)男性的な
freedom(名)(行動の)自由自在

The six concluding lines I remember, though I have forgotten the two first of the stanza; but the purport of them was, that his censures proceeded from goodwill, and, therefore, he would be known to be the author.

six(形)(基数の6)6の、6個(人)の
concluding(形)終結の、結びの
line(名)(詩の)1行
remember(他)(~を)覚えている、記憶している(+wh.)
two(代)(基数の2)(複数扱い)二つ、2個(人)
first(形)(通例the ~、one's )最初の、先頭の(⇔last)(数字とともに用いる時には数字の前におく/ただし数詞が少ない数の時には後も可)
stanza(名)連、スタンザ(一定の韻律をもった4行以上からなる詩の単位)
purport(名)(the ~)趣旨、意味(of)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(補語節を導いて)/(同格節を導いて)
his(代)彼の
censure(名)非難、とがめ
proceed(自)(~から)発する、生ずる、由来する(from)
from(前)(出所・起源・由来を表わして)~から(来た、取ったなど)
goodwill(名)好意、善意、親切
therefore(副)それゆえに、従って、それ(これ)によって(=consequently)
would(助動)(時制の一つにより従属節内でまた間接話法で用いて)(意志未来を表わして)~しよう
known(形)(名を)知られて(+to do)
author(名)著者、作家、著述家(通例女性も含む)

"Because to be a libeller (says he)
I hate it with my heart;
From Sherburne town, where now I dwell
My name I do put here;
Without offense your real friend,
It is Peter Folgier."

because(接)(副詞節を導いて)(なぜなら)~だから(である)、~なので
libeller(名)(英)<libel(他)(人を)中傷(侮辱)する
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
hate(他)(~を)憎む、ひどく嫌う、嫌悪する
it(代)(形式目的語としてあとにくる事実上の目的語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
my(代)私の
heart(名)(感情、特に優しい心・人情が宿ると考えられる)心、感情
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
dwell(自)(副詞句を伴って)(~に)住む、居住する
do(助動)(肯定文を強調して)
put(他)(通例副詞句を伴って)(名前などを)(~に)記入する、著名する
offense(名)人の感情を害すること、無礼、侮辱
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
real(形)(名目上・表面的でない)真の、本当の ・a real friend 真の友
Peter(名)ピーター(男性名/愛称Pete)
Folgier→Folger(名)フォルジャー

My elder brothers were all put apprentices to different trades.

elder(形)(兄弟などの血縁関係で)年上の、年長の
all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな
put(他)(人を)(仕事などに)つかせる、取りかからせる(to)
apprentice(名)(昔の)徒弟、年季奉公
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
trade(名)職業、商売

I was put to the grammar-school at eight years of age, my father intending to devote me, as the tithe of his sons, to the service of the Church.

put(他)(ある目的のために)(~を)(ある場所に)送る、行かせる、載せる
grammar school(名)(英国の)グラマースクール(16世紀に創設されたラテン語ギリシア語文法を教えることを目的とした学校であったが、現在は学力上位の生徒に大学進学準備の教育をする中等学校)
at(前)(時の一点を表わして)~(歳の時)に ・at the age of seven 7歳の時に ・at the end of the month 月末に
eight(形)(基数の8)8の
intend(他)(~する)つもりである、(~しようと)めざす(+to do)
devote(他)(人が)(~に)身をささげる、専念する、熱中する(to)
as(前)~として
tithe(名)(英)十分の一税(教会維持のため教区民が毎年末に農作物の10分の1を納めた/今は廃止)
service(名)奉仕
Church(名)(教派の意味で)教会

My early readiness in learning to read (which must have been very early, as I do not remember when I could not read), and the opinion of all his friends, that I should certainly make a good scholar, encouraged him in this purpose of his.

early(形)(普通より)早めの
readiness(名)用意ができていること
in(前)(性質・能力・芸などの分野を限定して)~において、~が
learn(他)(勉強・練習などにより)(知識・技術などを)習い覚える、習得する(+to do)
read(自)読書する、読む
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
must(助動)(当然の推定を表わして)(must have+ppで過去についての推定を表わして)~したにちがいない
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
when(接)(関係副詞)(先行詞を含む関係副詞用法で)~する時
opinion(名)意見、見解(of)/(+that)
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
should(助動)(可能性・期待を表わして)きっと~だろう、~のはずである
make(自)(~に)なる(+補)
scholar(名)(英古)学生、聖徒(=student)
encourage(他)(人を)元気(勇気)づける、励ます(⇔discourage)(in)
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で ・in one's sight 視界の内に
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
purpose(名)目的、意図(of)
his(代)(of ~で)彼の(hisはa、an、this、that、noなどと並べて名詞の前に置けないからhisをof hisとして名詞の後に置く)

My uncle Benjamin, too, approved of it, and proposed to give me all his short-hand volumes of sermons, I suppose as a stock to set up with, if I would learn his character.

Benjamin(名)ベンジャミン(男性名/愛称Ben、Benny)
approve(自)(~に)賛成する、満足の意を表わす、(~を)満足に思う(of)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
propose(他)(~を)もくろむ、企てる、(~する)つもりである(+to do)
give(他)(人に)(ものを)与える、あげる(+目+目)
shorthand(形)速記の(による)
volume(名)(全集・セットの書物の)巻
sermon(名)説教
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+目+補)
as(前)(動詞の目的補語を導いて)~と、~だと
stock(名)(古)基金、資本
take up(仕事・趣味などを)始める
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去形を用い、帰結の主節には通例would、shouldなど助動詞の過去形が用いられる)
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(主節の意志を表わす条件節で)もし~する意志さえあれば
character(名)(印刷または筆記の)字体

I continued, however, at the grammar-school not quite one year, though in that time I had risen gradually from the middle of the class of that year to be the head of it, and farther was removed into the next class above it, in order to go with that into the third at the end of the year.

continue(自)(仕事などを)(休まずに)続ける
not(副)(述語動詞・文以外の語句を否定して)~でなく
quite(副)(程度を表わさない形容詞・動詞または最上級の形容詞などを修飾して)(否定語とともに用いて、部分否定をなして)完全には~ではない、すっかり~ではない
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中
that(形)(指示形容詞)(遠方の時・所をさして)あの、あちらの、その(⇔this)
time(名)(またa ~)(ある一定の長さの)期間、間
rise(自)(人が)(信用・重要性・世の中などで)地位が高まる、立身する、昇進する、向上する(from)(to)
gradually(副)徐々に、次第に、漸進(段階)的に
from(前)(変化・推移を表わして)~から(~へ)
middle(名)(the ~)中央、真ん中(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
head(名)(単数形で/通例the ~)首位、首席(of)
to(前)(動詞の原形の前につけて不定詞を導いて)(副詞用法)(結果を表わして)~するようになるまで
farther(副)(farの比較級)(程度が)さらに進んで
remove(他)(もの・人を)(~から)(~へ)移す、移動させる(from)(to)
next(形)(通例the ~)(順序・配列が)次の
above(前)(地位・身分など)~より上位に(の)、~に優って
in order to do ~する目的で、するために(は)
go with ~ ~と一緒に行く、~に同行する
that(代)(指示代名詞)(反復の代名詞として)(~の)それ(oneと違ってthe+名詞の代用で通例of ~などの前置詞句が伴う)
third(名)(the ~)第3学年

But my father, in the mean time, from a view of the expense of a college education, which having so large a family he could not well afford, and the mean living many so educated were afterwards able to obtain — reasons that he gave to his friends in my hearing — altered his first intention, took me from the grammar-school, and sent me to a school for writing and arithmetic, kept by a then famous man, Mr. George Brownell, very successful in his profession generally, and that by mild, encouraging methods.

in the meantime(2つのことが起こる)その相田に
from(前)(根拠・動機を表わして)~に基づいて、~によって
view(名)(通例単数形で/修飾語を伴って)(特定な)見方、考え方(of)
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
expense(名)(金・時間・労力を)費やすこと、費用
college(形)カレッジの、大学の
education(名)(またan ~)(学校)教育 ・a college education 大学教育
have(他)(ある関係を表わして)(肉親・友人などが)いる、(~が)ある
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい ・I have never seen so beautiful a sunset. 今までこんなにきれいな夕日を見たことがない。(不定冠詞aの位置に注意)
large(形)(範囲・規模など)大きい、広大な、大規模な
could(助動)(過去形の主節の時制の一致により従属節中のcanが過去形に用いられて)~できる、~してよい
afford(他)(通例can、could、be able toに伴って)(人が)(金・時間などに)余裕がある
mean(形)(英)(人が)けちな、しみったれな(=stingy、(米)cheap/⇔generous)
living(名)暮らし方(向き)
many(代)(複数扱い)多数(の人、もの)
educated(形)教育を受けた、教養のある
afterwards(副)(英)=afterward(副)のちに、あとで
able(形)(~することが)できて、(~し)えて(⇔unable)(通例生物の主語に用いる)(+to do)
obtain(他)(人が)(ものを)得る、手に入れる
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(他動詞・前置詞の目的語として)
give(他)(人に)(案・理由・証拠などを)提示する、示す、挙げる(+目+目)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
hearing(名)聞こえる距離(範囲)・in a person's hearing 人が聞いている所で、聞こえよがしに
alter(他)(~を)(部分的に)変える、変更する
intention(名)意図、意向
take(他)(人を)(~から)連れ出す、救い出す(from)
from(前)(隔離・解放などを表わして)~から
send(他)(通例副詞句を伴って)(人・軍隊などを)行かせる、やる、派遣する ・send one's son to school 息子を学校にやる
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
school(名)(特殊技能を教える)学校、教習所、練習所、養成所
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
writing(名)書くこと、執筆
arithmetic(名)算数、算術
keep(他)(商店・学校などを)経営する、管理する
then(形)その時の、当時の
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
George(名)ジョージ(男性名)
profession(名)(特に頭脳を用いる)職業、専門職
generally(副)全体として
and that(前文全体を受けて)しかも
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
mild(形)(抗議・試みなど)過激でない、穏やかな
encouraging(形)元気づける、励みになる、激励(奨励)の
method(名)(論理的で組織立った)方法、方式

Under him I acquired fair writing pretty soon, but I failed in the arithmetic, and made no progress in it.

under(前)(状態を表わして)(指導・規制など)を受けて
acquire(他)(知識・学問などを)(努力して)得る、習得する
fair(形)汚れのない、滑らかな、明瞭な ・a fair hand きれいな筆跡
writing(名)書体、筆跡(=handwriting)
pretty(副)(形容詞・他の副詞を修飾して)かなり、相当
soon(副)すみやかに、すばやく
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される)
progress(名)進歩、発達、発展(⇔regress)・make progress in ~に上達する

At ten years old I was taken home to assist my father in his business, which was that of a tallow-chandler and sope-boiler; a business he was not bred to, but had assumed on his arrival in New England, and on finding his dying trade would not maintain his family, being in little request.

ten(形)(基数の10)10の、10個の、10人の
old(形)(満)~歳の(で)・ten years old 10歳で
take(他)(副詞句を伴って)(ある場所から他へ)持っていく、連れていく
home(副)わが家へ
assist(他)(人を)手伝う、援助(助力)する ・She assists him in his work. 彼女は彼の仕事を手伝う。
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
business(名)職業、家業(特に利益を目的とするものにいう)
tallow chandler 獣脂ろうそく製造人(販売人)
sope-boilersoap-boiler(名)石鹸製造人
breed(他)(人を)(~に)仕込む、育てる ・He was bred to the law. 彼は法律家に育てられた。
to(前)(結果・効果を表わす句を導いて)
but(接)(前の否定語・句・文と照応して)(~ではなく)て(not A but Bで「AではなくBである」の意を表わす表現)
assume(他)(役目・任務・責任などを)とる、引き受ける
on(前)(時間の接触を表わして)~するとすぐに、~と同時に(動作名詞または動名詞に伴う)・on arrival 到着するとすぐ
arrival(名)到着(すること)(in)(⇔departure)・on(one's)arrival 到着するとすぐ
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・on London ロンドンで(に)
New England(名)ニューイングランド(米国北東部の地方/Connecticut、Massachusetts、Rhode Island、Vermont、New Hampshire、Maineの6州から成る)
find(他)(~が)(~であると)知る、感じる、わかる(+that)
dying→dyeing(名)染め物業
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(条件節の内容を言外に含め陳述を婉曲(えんきょく)にして)~であろう、~でしょう
maintain(他)(人・家族を)養う、扶養する(=provide for)・maintain a family 家族を養っていく
in request 需要があって
little(形)(不可算の名詞を修飾して)(aをつけないで否定的用法で)少ししかない、ほとんどない(⇔much)

Accordingly, I was employed in cutting wick for the candles, filling the dipping mold and the molds for cast candles, attending the shop, going of errands, etc.

accordingly(副)(接続副詞的に)よって、従って、それゆえに(=consequently、therefore)
employ(他)(通例受身で)(~に)従事する(in doing)
cut(他)(ものを)切り離す
wick(名)ろうそく(ランプ)の芯(しん)
for(前)(用途・指定・適否を表わして)~向きに(の)、~用に(の)
candle(名)ろうそく
dip(他)(~を)(液体に)ちょっと浸す
mold(名)(溶かした材料を入れて形を造る)型
cast(名)鋳込み、鋳造
attend(他)見張る
of→on
go on ~しに行く
errand(名)使い、走り使い、使い走り ・go on errands 走り使いをする
etc. ~など、その他(主に参考書や商業文などに用い、この前にコンマを置き(名詞などが一つの時は不要)、andは用いない)
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

『戦艦ポチョムキン』

この週末は、ブルーレイで『戦艦ポチョムキン』を再見した。

1925年のソビエト映画。
監督はセルゲイ・エイゼンシュテイン
今回見たのは1976年のサウンド版で、音楽はドミートリイ・ショスタコーヴィチ
スタンリー・キューブリックはかつて、「チャップリンは内容があって形式がない。エイゼンシュテインは形式があって内容がない。どちらを取るかと訊かれれば、私はチャップリンだ」と語っていた。
モンタージュ理論を生み出して、映画史上で極めて重要な地位を占める作品。
僕は学生の時、早稲田通りにあるACTミニ・シアターという映画館の年間会員になった。
会費は確か1万円で、1年間、ここで上映される全作品を見放題であった。
実際には、何だかんだで時間が取れず、元を取るほどは通えなかったのだが。
映画館と言っても、普通のマンションみたいなビルで、部屋の中に座布団が敷かれており、そこに座って、16ミリの映画を観る。
ACTミニ・シアターは毎週末、オールナイトで古典映画を上映していて(しかも、ラインナップがずっと変わらなかった)、その中に、『月世界旅行』『カリガリ博士』『アンダルシアの犬』『フリークス』等と並んで、『戦艦ポチョムキン』もあった。
とは言っても、この時には観ていない。
僕が本作を初めて見たのは、もっと大人になってから、DVDであった。
僕が一番好きな映画は、表向きには、『バリー・リンドン』ということにしている。
いや、もちろん、実際に大好きな映画なのだが。
これとは別に、裏のベスト5というのがある。
1位『戦艦ポチョムキン
2位『スパルタカス
3位『アルジェの戦い』
4位『猿の惑星 征服』
5位『レッズ』
これらに共通するのは何か。
それは、「革命」である。
昔、河合塾青木裕司という先生が書いた『世界史講義の実況中継』(語学春秋社)という参考書があった。
この先生は、全共闘崩れの左翼で(でも、参考書は非常に面白かった)、この本も、ロシア革命のところがやたらと詳しく書いてあった。
「僕は毎年、ロシア革命について語るために、世界史を教えているんだ」と言っていた。
そして、戦艦ポチョムキン号の反乱について、「これは映画にもなったから、映画好きの諸君なら知っているかも知れない」と書いていたが。
知る訳ないだろう。
昨今の若い人は、『タイタニック』ですら知らないらしい。
確か、世界史の教科書にもポチョムキン号の反乱は載っていたと思ったのだが。
手元の最新版を調べたら、載っていなかった。
多分、『実況中継』と記憶がごっちゃになっていたのだろう。
余談だが、僕が受験生だった頃に出た『実況中継』の初版は、ものすごく左翼的な内容で、青木先生が自分の思想を好き放題に語っていた。
世の中を知らない受験生は、それにすっかり洗脳されてしまうのだが。
今、出ている改訂版は、そういう青木先生の「色」がすっかり「粛清」されて、単なる語り口調の、ありきたりな世界史の参考書になってしまっている。
今の若い人は18歳から選挙権があって、しかも8割が自民党支持らしいから、左翼的な内容では売れないんだろう。
すっかり脱線した。
本題に入る。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
不穏な音楽が流れる。
画質は、あまり良くない。
フィルムの傷が目立つのと、画面の揺れがかなり激しい。
まあ、でも、100年近く昔の映画だからな。
ポチョムキン号の反乱のきっかけは、水兵達の食事にウジ虫の湧いた肉が出されたことである。
上官は「ウジじゃない。上等の肉だ」と言い張る。
しかし、ウジ虫がうじゃうじゃしているのがドアップで映る。
『アンダルシアの犬』みたいだ。
いや、こっちの方が先か。
本作以前の映画にも、もちろん「編集」という概念はあった。
しかし、『戦艦ポチョムキン』は、ロケの映像、スタジオで撮った映像等を、縦横無尽につなぎ合わせている。
モンタージュ技法だ。
ミニチュア撮影も使われている。
水兵達は、司令官昇降口を通ったという理由で、司令官から銃殺を命じられる。
だが、いったい人の命を何だと思っているのか。
理不尽な支配階級の命令。
ついに、一人の水兵が、銃を構えた兵士達に呼び掛ける。
抑圧された人間の怒りが、ガマンの限界を超えて噴出する瞬間。
僕は共産主義者ではないが、「革命」に至る民衆の気持ちは非常によく分かる。
僕もプロレタリアートなので、シンパシーはある。
共産党宣言』も『蟹工船』も読んだが、当時のプロレタリアートの惨状は察するに余りある。
ただ、ロマノフ王朝を妥当したところまでは良かったが、その後の社会主義の壮大な実験は結局、失敗に終わる。
国王や貴族や地主がいなくなっても、今度は共産党が新たな支配階級になる。
声の大きい者が、新たな支配者になる。
皇帝を打倒しても結局、レーニンスターリンが新たな皇帝になる。
マルクスの理論に人間を従わせるために、監視社会になる。
こうなると、全体主義と同じだ。
でも、僕は、それでも人間は平等だと信じたい。
天皇制にも反対である。
たとえ、立憲君主制という形であっても、生まれながらに人間の階級が法律で定められているなんておかしい。
既に破綻しかかっているが、早晩、こんな制度は消滅するのが歴史的必然である。
何で、21世紀にもなって、未だに特権階級が維持されているのか、さっぱり分からん。
僕は、共和制がいいと思っている。
日本では、長年の圧政・失政に対して、どうして暴動が起きないのか。
日本人は権力に対して従順過ぎる。
話しを元に戻そう。
ついに、水兵の反乱が勃発する。
船には、銃殺刑を処される兵士達に祈りを捧げるために神父が乗っているが。
この神父も、「キリストなんかクソ食らえ!」とばかりにボコボコにされる。
共産主義は宗教を否定しているからな。
まあ、僕も完全な無神論者だが。
この神父は、まるで麻原彰晃みたいな格好をしている。
ちなみに、演じているのはエイゼンシュテイン自身らしい。
水兵の怒りは、これまで自分達を痛め付けて来た上官や司令官に向くが。
これは無理からぬことではあるが、実際には、上官達も、自分達の任務を忠実に遂行していただけなのだろう。
ナチスだってそうだった。
では、悪いのは誰か?
難しい問題だ。
で、水兵達は勝利する。
そりゃ、これまでは大人しく言うことを聞いて来たが、上官より兵士の方が圧倒的に人数が多いからな。
が、最初に立ち上がった水兵が死んでしまう。
ポチョムキン号はオデッサの港に立ち寄り、亡くなった水兵は港のテントに横たわる。
噂を聞き付けた町の人々が続々と弔いにあつまる。
老若男女。
あらゆる階層の人達が。
このエキストラの数のすごいこと。
さすが、旧ソ連が国家の威信を賭けて作った映画だけある。
「圧制者に死を!」
で、「皆は一人のために。一人は皆のために」という合言葉。
僕が中学生の時、このキャッチ・フレーズが、学校の体育祭でクラスの標語だったが。
まあ、教職員組合が異様に強い学校だったからな。
今では考えられない。
で、映画史上有名なオデッサの階段のシーン。
アンタッチャブル』でもオマージュ(という名のパクリ)されていたな。
乳母車が階段を転がり落ちて行く。
赤ん坊が本当に乗っているよ。
児童虐待だ!
これも、今では撮れないシーンだろうな。
大掛かりな爆破シーンもある。
本作には、特に決まった主人公もおらず、完全な群像劇である。
リーダー的な水兵も、前半で死んでしまうしな。
だから、ドラマチックな内容ではない。
字幕による説明は最小限で、映像に語らせている。
共産主義プロパガンダ映画ではあるが、今見ても、圧倒的な映像の力がある。
社会主義は失敗したが、かと言って、プロレタリアートの窮状が改善された訳ではない。
いや、むしろ、格差・貧困はますます大きくなっている。
今こそ、万国の労働者は団結しなければ。
なお、僕はロシア語の字幕は全く読めない。
戦艦ポチョムキン
「第1章 人々とうじ虫」
『革命とは戦争である。歴史の知る中で唯一合法的かつ真に偉大な戦争である。その戦争がロシアで布告され、開始されたのだ。レーニン(1905)』
「マチュシェンコとワクリンチュク」
『おれたち水兵も労働者と共闘し、革命の最前線に立つべきだ。』
「仮眠中の当直の夢は重苦しい。」
「まぬけな上官もいる。」
「腹いせは若い水兵が受ける。」
『ちくしょう…。』
「ワクリンチュク」
『同士諸君、おれたちにも発言すべき時が来たのだ。』
『全ロシアが立ち上がったのに、傍観者でいいのか?』
「朝」
『腐った肉など、だれが食うものか。』
『犬だって見向きもしないぜ。』
「艦医スミルノフ
『うじが目に入らんのですか?』
『うじではない。』
『ハエの幼虫だ。塩水で洗い流せば大丈夫だ。』
『敵の捕虜食の方がましです。』
『腐ったものは、もうたくさんだ。』
『上等の肉だ。何の問題もない。』
「先任士官ギリャロフスキー」
「煮え立つスープ」
「うっ積した怒りがあふれ始めた。」
「艦内酒保」
『水兵たちがスープを拒否しました。』
『日々の糧を今日も我らに』
「第2章 甲板上のドラマ」
『総員、上甲板へ集合』
「司令官ゴリコフ」
『スープに満足した者は2歩前に出よ。』
下士官たち」
『出るのだ。』
『出ない者は帆桁につるす。』
『衛兵を呼べ。』
「砲塔に集まるよう、仲間に呼びかけるマチュシェンコ」
『砲塔へ』
『砲塔へ』
『砲塔へ』
『みんな、行こう。』
「大部分の水兵は砲塔の近くに集まった。」
『止まれ、勝手に動くな。』
「水兵数名が司令官昇降口を通ろうと…」
『下がれ、ばか者、そこはわし専用だ。』
『貴様らは皆、銃殺だ。』
『やつらに帆布を』
『わかりました。』
『かぶせろ。』
『気をつけ。』
『神よ、反逆者に慈悲を』
『目標、帆布…射撃用意』
「決意するワクリンチュク」
『撃て。』
『兄弟!』
『だれを撃つ気だ。』
「震える銃身」
『撃て。』
『撃て。』
『腰抜けめ。』
『銃を奪い取れ。』
『悪魔を殺せ。』
『皆殺しにしろ。』
『神をおそれよ。』
『くそ食らえ。』
『海の底でうじのエサになれ。』
『兄弟、おれたちの勝利だ。』
「ワクリンチュクをねらうギリャロフスキー」
『ワクリンチュクが落ちる。』
『ワクリンチュクを助けろ。』
「蜂起の第一声を上げた彼は悪魔の手で最初に倒れた。」
「港へ」
オデッサ
「防波堤のテント――ワクリンチュクの最後の家」
『ひとさじのスープのために』
「第3章 死者の呼びかけ」
「夜になって霧が出始めた。」
以下、後半。

Battleship Potemkin (1925) - Trailer

『フランクリン自伝』を原書で読む(第6回)

(テキスト5ページ、2行目~)

A dealer in old books met with them, and knowing me by my sometimes buying of him, he brought them to me.

dealer(名)(~の)~商 ・a dealer in antiques 骨董(こっとう)商
in(前)(性質・能力・芸などの分野を限定して)~において、~が
old(形)古い(⇔new)
meet with ~(不慮の事態・不幸など)に遭遇する
know(他)(人と)知り合いである、懇意である、交際している
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
my(代)私の
buy(自)物を買う、買い物をする
of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に

It seems my uncle must have left them here when he went to America, which was about fifty years since.

it(代)(非人称動詞(impersonal verb)の主語として)(特にさすものはなく、従って訳さないで文の形式的主語となる)/(seem that ~の主語として)(thatは略されることがある)
seem(自)(itを主語として)(~には)(~のように)思われる(+that)
must(助動)(当然の推定を表わして)(must have+ppで過去についての推定を表わして)~したにちがいない
leave(他)(副詞句を伴って)(人・ものを)(~に)置いていく
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
America(名)北アメリカ、北米
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
above(前)(基準・数量など)~を超える(て)
fifty(形)(基数の50)50の、50個の、50人の
since(副)(通例完了形の動詞に伴って)(その時)以来(ずっと)、それ以来(ずっと今まで)

There are many of his notes in the margins.

there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
many(代)(複数扱い)多数(の人、もの)(of)
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
his(代)彼の
note(名)(しばしば複数形で)覚え書き、メモ
margin(名)(ページなどの)余白、欄外、マージン ・in the margin 余白に

This obscure family of ours was early in the Reformation, and continued Protestants through the reign of Queen Mary, when they were sometimes in danger of trouble on account of their zeal against popery.

this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
obscure(形)(人・物など)世に知られない
family(名)(血縁関係のある)一家、一族、一門
ours(代)(of ~で)我々の(ourはa、the、this、that、noなどと並べて名詞の前に置けないからof oursとして名詞の後に置く)
early(副)(時間・時期的に)早く
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
reformation(名)(the Reformation)宗教改革
Protestant(名)新教徒、プロテスタント
through(前)(始めから終わりまでを表わして)(時間・期間)じゅう
reign(名)治世、御代(みよ)・in(during)the reign of Queen Victoria ビクトリア女王の代に
Mary I(名)メアリー1世(1516-58/英国女王(1553-58)/新教徒を迫害したのでBloody Maryともいわれる)
when(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(~すると)その時
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
trouble(名)災難、不幸、危険
on account of ~ ~のため、の理由で(=because of)
their(代)彼ら(彼女ら)の
zeal(名)熱心、熱中
popery(名)カトリック(制度)

They had got an English Bible, and to conceal and secure it, it was fastened open with tapes under and within the cover of a joint-stool.

get(他)(~を)(~から)(努力して)得る、手に入れる
English(形)英語の
Bible(名)(the ~)(キリスト教の)聖書、バイブル(the Old Testament(旧約)およびthe New Testament(新約)/ユダヤ教では旧約だけをさす/ホテルの客室に置いてあることが多い)
conceal(他)(ものなどを)隠す、見えないようにする
secure(他)(~を)安全にする、守る
fasten(他)(ものを)しっかり留める、くくりつける
open(形)(本・包み・傘など)開いた、あけた
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
tape(名)平打ちひも、さなだひも、テープ
under(前)(位置を表わして)~の内側(内部)に
within(前)~の内に、~の中に
cover(名)おおい、カバー
joint stool 組立て椅子

When my great-great-grandfather read it to his family, he turned up the joint-stool upon his knees, turning over the leaves then under the tapes.

great(形)(ハイフンを付して)1代遠い親等の(1代遠ざかるごとにgreatを1つ増やしていう)・great-great-great-uncle 大おじの祖父
great-grandfather(名)曾祖父、ひいおじいさん
read(他)(文・論文などを)読み上げる、音読する
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
turn up あおむけにする
knee(名)(座った時の)ももの上側、ひざ(lap)
turn over(ページを)めくる
leaf(名)(書物の)1枚、1葉、2ページ

One of the children stood at the door to give notice if he saw the apparitor coming, who was an officer of the spiritual court.

one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
door(名)(通例単数形で)戸口、門口、(扉を備えた)出入り口、玄関(=doorway)
give(他)(~に)(注意・考慮などを)向ける、払う
notice(名)注意、注目
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在・過去・未来の実現の可能性のある事柄について推量する場合)(この場合には未来(未来完了)のことでもif節には現在(現在完了)時制を用いる)
see(他)(~を)見る、(~が)見える(+目+doing)
apparitor(名)(昔の行政官庁・宗教裁判所の)伝達吏、下役人
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
officer(名)(しばしば修飾語を伴って)(~)役人、(~)官、(~)吏
spiritual court(名)教会裁判所(=ecclesiastical court)

In that case the stool was turned down again upon its feet, when the Bible remained concealed under it as before.

in that case もしそうなら、万一そんなことがあれば
stool(名)スツール(ひじ掛け・背のない腰掛け)
turn down(~を)(下に)折りたたむ、折り返す
again(副)元の所(状態)へ
on one's feet 立って
when(接)(主節の後にwhenの導く従属節がくる時文脈上で)(~すると)その時
remain(自)(~の)ままである、相変わらず(~)である(+補)
as before 前のとおりに

This anecdote I had from my uncle Benjamin.

anecdote(名)逸話、逸事
have(他)(情報などを)入手する(している)、聞いて知(ってい)る
from(前)(出所・起源・由来を表わして)~から(来た、取ったなど)
Benjamin(名)ベンジャミン(男性名/愛称Ben、Benny)

The family continued all of the Church of England till about the end of Charles the Second's reign, when some of the ministers that had been outed for non-conformity holding conventicles in Northamptonshire, Benjamin and Josiah adhered to them, and so continued all their lives: the rest of the family remained with the Episcopal Church.

all(代)(複数扱い)(all of the ~で)すべて、みんな
Church of England(the ~)英国国教会、英国聖公会
till(前)(動作・状態の継続の期限を表わして)~まで、~になるまで、に至るまで(ずっと)
Charles II チャールズ2世(1630-85/Charles1世の子、王政回復後の英国王/the Merry Monarchともいう)
some(代)多少、いくぶん
minister(名)(プロテスタント教会の)聖職者、牧師((英)では非国教会派と長老派の聖職者にいう)
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
out(他)(~を)追い出す
for(前)(原因・理由)~の理由で、~のため(=because of)
nonconformity(名)国教を遵奉しないこと、非国教主義
hold(他)(会などを)催す
conventicle(名)(英国16-17世紀の非国教徒またはスコットランド長老派の)秘密集会(礼拝)
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
Northamptonshire(名)ノーサンプトンシャー州(イングランド中部の州/州都Northampton)
Josiah(名)ジョサイア(男性名)
adhere(自)(規則・原則・合意事項などに)忠実に従う、つき従う、遵守する、(考え・信仰などを)(忠実に)支持(信奉)する(to)
to(前)(適合・一致を表わして)~に合わせて、~どおりに
so(副)(接続詞的に/and soとして)それゆえ、だから、それで
continue(自)(~を)存続する、守り続ける
life(名)生涯、一生、寿命 ・all one's life 一生のうちに、生まれてから(このかた)
rest(名)(the ~)(複数扱い)残りの(その他の)人々(of)
remain(自)(通例副詞句を伴って)とどまる、滞在する
with(前)(同期・賛成を表わして)~に賛成して、~に
Episcopal(形)監督派の、英国国教会派の ・the Episcopal Church 監督教会(米国聖公会およびスコットランド聖公会
Church(名)(教派の意味で)教会

Josiah, my father, married young, and carried his wife with three children into New England, about 1682.

marry(自)(~で)結婚する(+補)・He married very young. 彼はずいぶん若い時に結婚した。
three(形)(基数の3)3の、3個の、3人の
New England(名)ニューイングランド(米国東北部の地方/Connecticut、Massachusetts、Rhode Island、Vermont、New Hampshire、Maineの6州から成る)
about(副)(数詞を伴って)およそ、約~

The conventicles having been forbidden by law, and frequently disturbed, induced some considerable men of his acquaintance to remove to that country, and he was prevailed with to accompany them thither, where they expected to enjoy their mode of religion with freedom.

forbid(他)(~を)禁止する、許さない、(~の)使用(持ち込み(など))を禁止する
frequently(副)しばしば、たびたび、頻繁に
disturb(他)(人の(行動などを))じゃまをする
induce(他)(人を)勧誘して(~する)気にさせる、(人に)説いて(勧めて)(~)させる(+目+to do)
considerable(形)(量・数が)かなりの、相当な、少なからぬ(=substantial)
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
acquaintance(名)知人、知り合い、知己(友人ほど親密ではなく仕事などの関係で知っている人にいう)
remove(自)(~から)(~へ)移動する、移転する(to)
that(形)(指示形容詞)(遠方の時・所をさして)あの、あちらの、その(⇔this)
country(名)(通例修飾語を伴って)(地勢的に見た)地方、地域、土地
prevail(自)説き伏せる(with)(+to do)・I was prevailed upon to go with him. 説き伏せられて同行した。
with(前)(処置・関係の対象を導いて)~に対して、~について、~にとっては
accompany(他)(人が)(別の人に)同行する、ついていく
thither(副)(古)あちらへ、そちらへ
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
expect(他)(きっと)(~(する)だろうと)思う(+to do)
mode(名)方法、様式、様態、流儀(of)
religion(名)信心、信仰
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
freedom(名)自由

By the same wife he had four children more born there, and by a second wife ten more, in all seventeen; of which I remember thirteen sitting at one time at his table, who all grew up to be men and women, and married; I was the youngest son, and the youngest child but two, and was born in Boston, New England.

by(前)(親としての男(女))から生まれた ・He had a child by his first wife. 彼には先妻の子が一人いた。
have(他)(ある関係を表わして)(肉親・友人などが)いる、(~が)ある ・They have two children. 彼らに2人の子供がいる。
four(形)(基数の4)4の、4個の、4人の
more(副)そのうえ、なおまた
born(形)(人などが)生まれて
second(形)(序数の第2番)もうひとつの、別の、代わりの
ten(代)(複数扱い)10個(人)
in all 全部で、合計で(=altogether)
seventeen(代)(複数扱い)17個、17人
remember(他)(~を)覚えている、記憶している(+doing)
thirteen(代)(基数の13)(複数扱い)13個(人)
at a time 一度に
at table 食事について ・sit at table 食卓につく
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな(通例代名詞の場合に用いる)
grow up(人が)成人する ・grow up to be ~ 成長して~になる
marry(自)結婚する、嫁ぐ
young(形)(比較級・最上級を用いて)(年齢の上下関係を示して)年下の
but(前)~のほかに(の)、~を除いて(た)(=except)
two(代)(複数扱い)二つ、2個(人)
Boston(名)ボストン(米国Massachusetts州の州都)

My mother, the second wife, was Abiah Folger, daughter of Peter Folger, one of the first settlers of New England, of whom honorable mention is made by Cotton Mather, in his church history of that country, entitled Magnalia Christi Americana, as "a godly, learned Englishman," if I remember the words rightly.

second(形)(序数の第2番)(通例the ~)第2(番目)の
Folger(名)フォルジャー
Peter(名)ピーター(男性名/愛称Pete)
settler(名)(初期の)植民者、移民、移住者
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
whom(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人(たち)を(に)
honorable(形)(人・行為が)尊敬すべき、志操の正しい、高潔な
mention(名)言及、陳述、記載 ・make mention of ~をあげる、~に言及する、~を取り立てて言う
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される)
Cotton コットン
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
church(形)教会の
entitle(他)(本などに)(~という)表題をつける、(本を)(~と)題する(しばしば受身)(+目+補)
※Magnalia Christi Americanaアメリカにおけるキリストの大いなるみ業(わざ)」
as(前)~として
godly(形)神を敬う、信心深い、信仰の厚い
learned(形)学問(学識)のある、博学な、博識な
Englishman(名)イングランド人、(俗に)イギリス(本国)人、英国人
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
rightly(副)正確に ・If I remember rightly 記憶に間違いなければ、確か

I have heard that he wrote sundry small occasional pieces, but only one of them was printed, which I saw now many years since.

hear(他)(ニュースなどを)聞き知る、聞かされている、話に聞く(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
sundry(形)主種様々の、雑多な
occasional(形)(証文・音楽など)特別な場合のための
piece(名)1編の作品(詩、散文、作曲、劇)、1枚の絵、1個の彫刻(など)
only(副)(数量を修飾して)わずか、ほんの~だけ
now(副)(過去時制の動詞とともに)(物語の中で)今や、そのとき、それから、次に

It was written in 1675, in the home-spun verse of that time and people, and addressed to those then concerned in the government there.

in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって
homespun(形)質素な、素朴な、粗野な、月並みの
verse(名)(文学形式としての)韻文(=poetry/⇔prose)・write in verse 韻文で書く
time(名)(特定の)時、時期
people(名)(通例修飾語またはtheを伴って)(特定の場所・階級・団体・職業・民族などに属する)住民、人々
address(自)(廃)話しかける(to)
those(代)(指示代名詞)(修飾語句を伴って)(~の)もの、人々(⇔these)
concerned(形)(または名詞の後で)関係している、関心を持って(in)
in(前)(所属・職業を表わして)~して、~に

It was in favor of liberty of conscience, and in behalf of the Baptists, Quakers, and other sectaries that had been under persecution, ascribing the Indian wars, and other distresses that had befallen the country, to that persecution, as so many judgments of God to punish so heinous an offense, and exhorting a repeal of those uncharitable laws.

in favor of ~ ~に賛成して、に味方して(⇔against)
liberty(名)(行動の)自由、権利(of)
conscience(名)良心、道義心、善悪の観念 ・freedom of conscience 良心の自由
in behalf of ~ ~のために
Baptist(名)(the Baptists)バプテスト派、浸礼派(幼児洗礼を認めず、成人して信仰告白をした人にのみ全身洗礼を行なうべきだと主張する)
Quaker(名)クエーカー教徒(George Foxが創始したキリスト教の一派the Society of Friendsの会員/絶対平和主義者として知られる)
sectary(名)党派(分派)に属する人、(特に)熱心な信徒
under(前)(治療・攻撃・試練・刑罰など)を受けて
persecution(名)迫害、虐待
ascribe(他)(結果などを)(~の)せいにする(=attribute)(to)
Indian(形)アメリカインディアンの
distress(名)苦境、窮地、災難、貧苦
befall(他)(よくない事が)(人・ものに)起こる、降りかかる
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
so many ~ そんなにたくさんの
judgment(名)(~への)(~に対する)(神の裁きとしての)天罰、災い
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
punish(他)(人・罰を)(~のかどで)罰する、こらしめる
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい ・I have never seen so beautiful a sunset. 今までこんなにきれいな夕日を見たことがない。(不定冠詞の位置に注意)
heinous(形)(悪人・悪行が)憎むべき、極悪(凶悪)な
offense(名)(社会的・道徳的な規範を)犯すこと、違反、罪
exhort(他)(改革などを)唱道する
repeal(名)(法律の)廃止、取り消し、撤廃
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
uncharitable(形)無慈悲な、(情け)容赦のない
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『フランクリン自伝』を原書で読む(第5回)

(テキスト4ページ、3行目~)

He had formed a short-hand of his own, which he taught me, but, never practising it, I have now forgot it.

form(他)(人物・能力・品性を)(訓練・教育によって)作りあげる
shorthand(名)速記
of one's own 独特の
which(代)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
teach(他)(人・クラスなどに)教える(+目+目)
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
practise(動)(英)=practice(他)(~を)(反復して)練習(けいこ)する
now(副)(現在完了とともに)今ではもう(すでに)

I was named after this uncle, there being a particular affection between him and my father.

name A after B Bの名をとってAと命名する ・The baby was named Ronald after his uncle. 赤ん坊はおじの名を取ってロナルドと名づけられた。(英米では長男に自分と同じ名前をつけることがある)
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の前に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
particular(形)特別の、格別の
affection(名)(人が子供・妻などに示すような)愛情、優しい思い
between(前)(分配・共有・関係などを表わして)~の間で、共同で
my(代)私の

He was very pious, a great attender of sermons of the best preachers, which he took down in his short-hand, and had with him many volumes of them.

pious(形)敬虔(けいけん)な、信心深い(⇔impious)
great(形)大の、大変な
attender(名)<attend(他)~に出席(参列)する、(学校)に行く(通う)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
sermon(名)説教 ・preach a sermon 説教する
preacher(名)説教者、伝道者
take down(~を)書き取る(=write down)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
with(前)(付帯を表わして)(人)の身につけて、~の手元にあって
volume(名)(全集・セットの)巻

He was also much of a politician; too much, perhaps, for his station.

much(副)(「同じ」を意味する語句を修飾して)ほぼ、大体 ・We're much of an age. 我々はほぼ同年輩です。
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~のような
politician(名)政治家、政客
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)~すぎる
for(前)(対比)(基準を表わして)~としては、~の割には
his(代)彼の
station(名)(古)身分、地位

There fell lately into my hands, in London, a collection he had made of all the principal pamphlets relating to public affairs, from 1641 to 1717; many of the volumes are wanting as appears by the numbering, but there still remain eight volumes in folio, and twenty-four in quarto and in octavo.

fall into a person's hand 人の手に入る(落ちる)
lately(副)最近、近ごろ(=recently)
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
London(名)ロンドン(イングランド南東部Thames河畔の大都市/イングランドと英国の首都)
collection(名)収集物、収蔵品、コレクション
make(他)(材料から)(ものを)作る、造る(of)(ofは通例材料の形が製作物にとどまっている場合に用いる)
of(前)(材料を表わして)~で(作った)、~から(成る)・made of ~製の
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
principal(形)主な、主要な
pamphlet(名)パンフレット、(仮とじの)小冊子(=booklet)
relate(自)(~と)関連がある、関係をもつ(to)
to(前)(付属・関係・関連を表わして)~の、~に(とっての)
pubulic affairs(名)(複)公務、公共の(政治)問題
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)~から ・from A to B AからBまで
to(前)(時間を表わして)(時間・期限の終わりを表わして)~まで ・from A to B AからBまで
many(代)(複数扱い)多数(の人、もの)(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
want(自)(~に)欠ける、不足する
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
appear(自)(ものが)姿を見せる、出現する、現われる(⇔disappear)
by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
number(他)(~に)番号をつける
still(副)それでも(やはり)、なお(=nonetheless)
remain(自)残る、残存する、存続する、生き残る
eight(形)(基数の8)8の
in(前)(数量などを限定して)~において、~が
folio(名)二つ折り本、フォリオ本 ・in folio(本が)二つ折り判で(の)
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の
four(形)(基数の4)4の、4個の、4人の
quarto(名)四つ折り判の本
octavo(名)八つ折り判(の本(紙))(全紙の1/8の大きさ)・in octavo(本が)八つ折り判で(の)
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
『フランクリン自叙伝(研究社英米文學叢書)』西川正身・註釈(研究社)
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)

『フランクリン自伝』を原書で読む(第4回)

(テキスト3ページ、2行目~)

When I searched the registers at Ecton, I found an account of their births, marriages and burials from the year 1555 only, there being no registers kept in that parish at any time preceding.

when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
search(他)(データベースなどを)検索する
register(名)登録簿、登記簿
account(名)(事件・体験などの)記述、記事 ・give an account of ~の話をする、~の顛末(てんまつ)を話す
their(代)彼ら(彼女ら)の
birth(名)出生、誕生
marriage(名)結婚
burial(名)埋葬(米国では一般に土葬であるが、英国では最近火葬(cremation)も多くなってきた)
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)~から
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
keep(他)(ものを)取っておく、捨てないでおく
that(形)(指示形容詞)(遠方の時・所をさして)あの、あちらの、その(⇔this)
parish(名)教区、教会区(教区教会(parish church)と教区牧師(parish priest)をもつ宗教上の区域)
at(前)(時の一点を表わして)~に ・at ~ time ~の時に
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の単数形につけて)何か一つの(~もない)、だれか一人の(~もない)(a(n)の代用であるが、やや強調的)
time(名)(特定の)時、時期 ・at any time いつでも
preceding(形)先立つ、先行する

By that register I perceived that I was the youngest son of the youngest son for five generations back.

by(前)(手段・媒介を表わして)~で
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの
perceive(他)(~が)(~であると)わかる(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
young(形)(比較級・最上級で用いて)(年齢の上下関係を示して)年下の
for(前)(時間・距離を表わして)~の間(ずっと)
five(形)(基数の5)5の、5個の、5人の
generation(名)(親の代、子の代の)代 ・three generations 三代(親と子と孫)・for generations 数代にわたって
back(副)過去に、昔に、さかのぼって ・for some time back しばらく前から

My grandfather Thomas, who was born in 1598, lived at Ecton till he grew too old to follow business longer, when he went to live with his son John, a dyer at Banbury, in Oxfordshire, with whom my father served an apprenticeship.

my(代)私の
grandfather(名)祖父、おじいさん
Thomas(名)トマス(男性名/愛称Tom、Tommy)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
born(形)(人などが)生まれて
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中
live(自)住む(場所を表わす副詞句を伴う)(at)(in)
till(接)(動作・状態の継続の期限を表わして)~まで(ずっと)
grow(自)(次第に)(~に)なる(+補)
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)(~するには)~すぎる、非常に~で(~する)ことができない(for)(to do)
follow(他)(職業に)従事する
business(名)職業、家業(特に利益を目的とするものにいう)
no longer もはや~しないで(でない)
when(接)(主節の後にwhenの導く従属節がくる時文脈上で)(~すると)その時
go(自)(~しに)行く(+to do)
live with ~ ~と同居する
his(代)彼の
John(名)ジョン(男性名/愛称Johnny、Jack)
dyer(名)染物師(屋)
Banbury バンベリー(イングランドOxfordshire北部の町)
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
Oxfordshire(名)オックスフォードシャー州(イングランド南部の州/州都Oxford)
with(前)(提携・勤務を表わして)~の一員として、~に勤務して
whom(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人(たち)を(に)
serve(他)(任期・刑期などを)務める
apprenticeship(名)(昔の)年季奉公、徒弟の身分(年季)・serve one's apprenticeship with ~の所で徒弟の年季を勤める

There my grandfather died and lies buried.

die(自)(人・動物が)死ぬ
lie(自)(~の状態で)横になっている(+補)
bury(他)(~を)葬る、埋葬する

We saw his gravestone in 1758.

gravestone(名)墓石、石碑

His eldest son Thomas lived in the house at Ecton, and left it with the land to his only child, a daughter, who, with her husband, one Fisher, of Wellingborough, sold it to Mr. Isted, now lord of the manor there.

eldest(形)(兄弟などの血縁関係で)いちばん年上の
leave(他)(人に)(財産を)残す(+目+目)(to)
land(名)(所有物としての)土地、地所
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
only(形)(an ~)たった一人の
child(名)(親に対して)子(息子・娘)・an only child 一人っ子
her(代)彼女の
one(形)(基数の1)(人名の前に用いて)~という名の人(=a certain)・one Smith スミスという人
Fisher フィッシャー
of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の ・a man of California カリフォルニア出身の男
Wellingborough(名)ウェリングバラ(イングランド中部Northamptonshire中東部の町、4.4万)
sell(他)(ものを)売る、売り渡す、売却する(⇔buy)(+目+目)(to)
now(形)現在の、今の ・now leader 今の指導者
lord(名)(封建時代の)領主、君主
manor(名)(英)(封建時代の)荘園、領地 ・the lord of the manor 領主

My grandfather had four sons that grew up, viz.: Thomas, John, Benjamin and Josiah.

have(他)(ある関係を表わして)(肉親・友人などが)いる、(~が)ある
four(形)(基数の4)4の、4個の、4人の
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
grow up(人が)成人する
viz.(副)すなわち(通例namelyと読む)
Benjamin(名)ベンジャミン(男性名/愛称Ben、Benny)
Josiah(名)ジョサイア(男性名)

I will give you what account I can of them, at this distance from my papers, and if these are not lost in my absence, you will among them find many more particulars.

will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
give(他)(~に)(事実・情報・名前・意見などを)伝える、告げる(+目+目)
what(形)(関係形容詞)(~する)どんな~も、(~する)だけの(=whatever)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
at a distance 遠くで
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(近くの時・所をさして)
from(前)(隔たり・不在を表わして)~から(離れて)
paper(名)(複数形で)書類、文書、記録(=document)
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在・過去・未来の実現の可能性のある事柄について推量する場合)(この場合には未来(未来完了)のことでもif節には現在(現在完了)時制を用いる)
these(代)(指示代名詞)これら(のもの、人)(⇔those)
lost(形)失われた、遺失した、失った
in a person's absence 不在中に
many more(可算の複数形の名詞を伴って)ずっとより多い(く)
particular(名)(複数形で)(事の)詳細、てんまつ、明細

Thomas was bred a smith under his father; but, being ingenious, and encouraged in learning (as all my brothers were) by an Esquire Palmer, then the principal gentleman in that parish, he qualified himself for the business of scrivener; became a considerable man in the county; was a chief mover of all public-spirited undertakings for the county or town of Northampton, and his own village, of which many instances were related of him; and much taken notice of and patronized by the then Lord Halifax.

breed(他)(人を)(~に)仕込む、育てる(to)/(+目+補)(補語は名詞のみ)・He was bred to the law. 彼は法律家に育てられた。
to(前)(限度・程度・結果などを表わして)~に至るまで、~するほどに
smith(名)鍛冶(かじ)(屋)
under(前)(~の支配・監督・影響など)のもとに
ingenious(形)(人が)利口な、発明の才に富む
encourage(他)(人を)元気(勇気)づける、励ます(⇔discourage)(+目+to do)
in(前)(性質・能力・芸などの分野を限定して)~において、~が
learning(名)(またa ~)学問、学識、知識
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
esquire(名)(英)郷士(ごうし)(GENTRYに属しKNIGHTに次ぐ身分の者)
Palmer パーマー
principal(形)主な、主要な
gentleman(名)紳士(育ちがよく他人に対して礼儀正しく名誉を重んじる男子/⇔lady)(イギリス紳士の典型は、山高帽(bowler)をかぶりダークスーツを着て、天気に関係なく細くきちんと巻いた傘をステッキ代わりに持ち歩くとされているが、今では少ない)
qualify(他)(人に)(~の)資格を与える(for)
himself(代)(再帰的に用いて)(一般動詞の目的語に用いて)
for(前)(資格・属性を表わして)~(だ)として、~と
scrivener(名)(昔の)代書人、公証人
become(自)(~に)なる(+補)
considerable(形)(人が)重要な、著名な ・a considerable personage 著名な人物
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
county(名)(英)州(行政・司法・政治上の最大区画)
chief(形)主要な、主な
mover(名)発起人
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
public-spirited(形)公共心のある
undertaking(名)企業、事業
Northampton ノーサンプトン
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
instance(名)例、実例、事例、実証
relate(他)(話・経験などを)話す、物語る
much(副)(動詞を修飾して)おおいに、たいそう、非常に
take notice of ~ ~に好意的な(丁重な)心配りを示す
patronize(他)(~を)保護する、後援(支援)する、奨励する
then(形)(the ~)その時の、当時の
Lord(名)(英)(敬称として)卿(きょう)(侯・伯・子・男、および公・侯の子息・伯爵の長子 (arch)bishop、上院議員の敬称)
Halifax ハリファックス

He died in 1702, January 6, old style, just four years to a day before I was born.

Old Style(名)(the ~)旧暦(ユリウス暦(Julian calendar)に基づく/英国では1752年に新暦(New Style)に切り替えられた)
to(前)(適合・一致を表わして)~に合わせて、~どおりに(の)
before(接)~より前に、(~する)に先だって、~しないうちに

The account we received of his life and character from some old people at Ecton, I remember, struck you as something extraordinary, from its similarity to what you knew of mine.

account(名)(順を追ってする詳しい)話
life(名)生涯、一生、寿命
from(前)(送り主・発信人などを表わして)~から(の)
remember(他)(~を)覚えている、記憶している(+that)
strike(他)(人の)心を打つ、(人を)感心させる、感銘させる(+目+as 補)
as(前)(動詞の目的補語を導いて)~と、~だと
something(代)(肯定文で)何か、あるもの、ある事(形容詞は後に置く)
extraordinary(形)異常な、風変わりな、とっぴな
from(前)(原因・理由を表わして)~のために、~の結果
its(代)それの、あれの、その
similarity(名)類似(相似)点
to(前)(比較を表わして)~に比べて、~より
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く)
mine(代)私のもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)

"Had he died on the same day," you said, "one might have supposed a transmigration."

on(前)(日・時・機会を表わして)~に
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)
one(代)(総称人称として/複数形なし)(一般的に)人、世人、だれでも
might(助動)(仮定法仮定)(現在の仮定や仮定の結果を表わす節で)(might have+過分で/過去のことの推量を表わして)~したかもしれなかった(のだが)
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+目+補)
transmigration(名)(仏教などの、霊魂の)転生、輪廻(りんね

John was bred a dyer, I believe of woollens.

believe(他)(I believeで主な文に並列的または挿入的に用いて)確か(~だと)思う
woolen(名)(複数形で)毛織物(生地)

Benjamin was bred a silk dyer, serving an apprenticeship at London.

silk(形)絹(製)の
London(名)ロンドン(イングランド南東部Thames河畔の大都市/イングランドと英国の首都)

He was an ingenious man.

man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性

I remember him well, for when I was a boy he came over to my father in Boston, and lived in the house with us some years.

well(副)満足に、よく、申し分なく(⇔ill、badly)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
come over やってくる、渡来する(to)
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
Boston(名)ボストン(英国Massachusetts州の州都)

He lived to a great age.

live(自)生き長らえる ・live to the age of ninety 90歳まで生きる
to(前)(到達点を表わして)~まで、~に至るまで
great(形)(時間・距離など)長い、久しい ・live to a great age 高齢まで生きる

His grandson, Samuel Franklin, now lives in Boston.

grandson(名)孫息子
Samuel(名)サミュエル(男性名/愛称Sam、Sammy)
Franklin フランクリン

He left behind him two quarto volumes, MS., of his own poetry, consisting of little occasional pieces addressed to his friends and relations, of which the following, sent to me, is a specimen.

leave behind(~を)残す
two(形)(基数の2)2の、2個の、二人の
quarto(形)四つ折り(判)の
volume(名)(全集・セットの書物の)巻 ・two volumes 2巻(本)
MS.(略)=manuscript(名)原稿、手稿(手書きまたはタイプしたもの)
poetry(名)(文書の一形式としての)詩、散文(=verse/⇔prose)
consist(自)(部分・要素から)成る(of)
of(前)(材料を表わして)~で(作った)、~から(成る)
little(形)(時間・距離など)短い(⇔long)
occasional(形)(詩文・音楽など)特別な場合のための
piece(名)1編の作品(詩、散文、作曲、劇)、1枚の絵、1個の彫刻(など)・a piece of poetry 1編の詩
address(他)(~)あてにする(通例受身)・a letter addressed to ~あての1通の手紙
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
relation(名)親類(の人)(=relative)
following(形)(the ~/名詞的に)次に述べる事柄、下記(の人(もの))(内容によって単数または複数扱いになる)
send(他)(もの・言葉などを)送る、届ける(to)
specimen(名)見本、適例(=sample)
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

『巴里の女性』

この週末は、ブルーレイで『巴里の女性』を見た。

巴里の女性 A Woman of Paris [Blu-ray]

巴里の女性 A Woman of Paris [Blu-ray]

  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: Blu-ray
1923年のアメリカ映画。
監督・脚本・製作は、『キッド』の喜劇王チャールズ・チャップリン
音楽(1976年再公開時)もチャールズ・チャップリン
これがまた実にいい曲なのであった。
本作はサイレント映画だが、1976年にサウンド版が公開された。
主演は、『キッド』のエドナ・パーヴァイアンス。
共演はアドルフ・マンジュー。
キューブリックの『突撃』に出ていたな。
本作は、チャップリンの作品には珍しく、チャップリン自身が主演ではない。
チョイ役(駅のポーター)として、ほんの一瞬、出るだけである。
ヒッチコックみたいなもんだな。
また、喜劇ではなくて、シリアスなドラマである。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質は良い。
軽やかな音楽が流れる。
最初に、「本作にはチャップリンは出ていない」ということと、「喜劇ではない」という断りの字幕が出る。
舞台はフランスの小さな村。
夜、マリー・サンクレール(エドナ・パーヴァイアンス)は自宅の部屋(2階)で、こっそりと荷造りをしている。
しかし、それを感づいた父親が彼女の部屋に外側からカギを掛ける。
外では、恋人のジャンが待っている。
ジャンはマリーの部屋の窓から彼女を連れ出す。
二人は結婚の約束をしていたが、互いの両親に反対されているため、駆け落ちして、パリで結婚式を挙げようとしているのであった。
ジャンはマリーを自分の家に連れて行く。
彼の母親は二人の結婚に理解があったが、父親が猛反対していた。
「娘を追い出せ」と憤る父親。
ジャンはマリーを連れて駅へ。
12時15分発のパリ行きの列車に乗るつもりであった。
夜だから、夜行列車だろう。
ジャンは「仕度をして来る」と言って、彼女を残して自宅に戻る。
結婚には反対の父親であったが、息子の決意が固いと知って、カネだけは渡す。
親心だろう。
次の瞬間、父親が死んでいる。
床に落ちたパイプで死を表現したシーンは、映画史上有名。
と言うより、本作には、映画史上に残る画期的なシーンが多数ある。
未だ『戦艦ポチョムキン』が公開される前だからな。
チャップリンは、喜劇役者としてだけではなく、映画作家としても天才だったのだろう。
発射の時刻が近付き、マリーが駅の公衆電話でジャンの自宅に電話をして来る。
「大変なことが起きたから、旅を延期しなくては」と告げるジャン。
マリーは、裏切られたと思って電話を切る。
まあ、この時代は携帯電話もないからな。
もう連絡は取れない。
駅に到着した夜行列車。
このシーンも、四角い穴を開けた板をライトの前に置いて、照明だけで表現した。
1年後、パリ。
レストランで、有閑紳士のピエール・レヴェル(アドルフ・マンジュー)が、マリーの隣の席に座る。
グルメなピエールはシャンパン・トリュフを注文する。
翌朝、マリーのアパートに友人のフィフィが訪ねて来る。
アパートと言っても、ものすごく広くて、しかも、お手伝いが複数いる。
要するに、マリーはパリで高級娼婦になったんだな。
一方、ピエールのオフィス。
新聞にピエールの婚約が発表されている。
しかし、ピエールはマリーに連絡し、今夜の食事に誘う。
マリーの友人のポーレットは、ピエールの婚約発表の記事をマリーに見せる。
驚くマリー。
一方、ピエールの婚約者はマリーの存在を気にしている。
その夜、カルチェ・ラタンでは、どんちゃん騒ぎのパーティーが開かれている。
友人がマリーにパーティーへの誘いの電話を掛けて来る。
それにしても、本作の登場人物は皆、スパスパとタバコを吸いまくっている。
画面が煙くて仕方がない。
今では考えられないな。
で、パーティー会場と間違えて別の建物に入ったマリーは偶然、ジャンと再会する。
彼の母親も一緒にいる。
マリーを見て、「おキレイになって」と、ちょっと皮肉めいたほめ言葉を漏らすジャンの母親。
ジャンは画家になっていた。
「私の肖像画を描いて」とジャンに頼むマリー。
翌朝、マリーの部屋を訪ねるジャン。
ジャンは腕に喪章を着けている。
それは「父親のため」だという。
「いつ亡くなったの?」と尋ねるマリーに、「君が村を出て行った日だ。」
ここで全てが判明する。
しかし、マリーがジャンに電話をして来た時に、「父親が死んだ」とすぐに言えば良かったんだな。
それでは、ドラマにならないが。
ジャンがマリーの肖像画を描いている。
マリーが覗いて見ると、きらびやかな衣装を身につけた今の彼女ではなく、故郷にいた頃の彼女の姿が。
これも、絵を見事に心理描写に使ったとして、映画史に残るシーン。
ジャンは、「愛してるよ、マリー。結婚しよう」と告げるが、彼女はそれに応えず、出て行ってしまう。
さあ、これからどうなる?
この後も、ジャンがマリーの部屋を訪ねた時、お手伝いが衣装ケースからうっかり落としてしまったシャツのカラーで男の存在を示したり。
マッサージをする女性の表情だけで娼婦同士の会話の下品さを表現したりと、映画史上画期的なチャップリンの名演出が光る。
そして、驚きの結末を迎える。
運命というのは皮肉だ。
最後がヒューマンなのがいい。
チャップリンの映画としてはややマイナーで、僕も今回、初めて見た。
チャップリンが出演していないということで、興行的には失敗したらしいが。
いい映画であった。
第1回キネマ旬報ベスト・テン「芸術的に最も優れた映画」1位。
「観客の皆さまへ 誤解を避けるため申し上げておきます。私はこの映画に出演しておりません。これは私の最初の喜劇でない映画です。チャールズ・チャップリン
「フランスのある小さな村」
「マリー・サンクレール 不幸な家庭の犠牲になった女性」
『部屋から出られないの。』
『今夜ぜひ会いたい。明日の事で話がある。』
「将来の計画を話し合って2人は家に戻る。」
『正午にパリに着いて夕方には結婚できる。』
『父が窓に錠をかけたわ。』
『娘さんが閉め出されています。』
『この男が今夜のベッドをお前にくれるよ。』
『もうやめて。』
『僕の家に来たまえ。母が君を泊めてくれる。』
『母を起こして君のベッドを作ってもらう。』
『お母様を起こさないで。』
『どうすればいいのか分からないわ。』
『心配ないよ。明日になれば、悲しみも忘れる。』
『お前だけに話がある。』
『あの娘をこの家から出しなさい!』
『なぜです。お母さんに話せば、きっと分かってくれる。』
『あの娘は閉め出されただけなんです。』
『私は出た方がいいわ。』
『12時15分のパリ行きがある。それに乗れる。』
『切符を買っといて。家に戻って仕度してくる。』
『急いで下さいね。』
『結婚する事に決めてるんです。許しておやりなさい。』
『もう二度とあの子の顔は見たくない。』
『あの子は金を持っとるのか?』
『出て行く前にさよならを言ってやって下さい。』
『ジャン、お父様にさよならを言いなさい。』
『早く! お医者を!』
『ジャン、まだ家を出ていないの?』
『とんでもない事になった。旅を延ばさなきゃならない。』
『ちょっと待って。』
「1年後 花の都パリ 運命がうつろいやすく女性が人生を賭ける街」
「ピエール・レヴェル 多くの女性の運命を操る有閑紳士」
「マリー・サンクレール 灰色の田舎から華やかなパリへ」
『パリで一番お金持ちの独身男性よ。』
『あの女性は誰?』
『パリで有名な大金持ちの独身女性のひとりさ。』
『彼女と一緒にいる男は?』
「ピエールは生活を楽しみ、料理にも造詣が深い。」
『香水の染みたハンカチは調理場ではお断りだ。』
「シャンペン・トリュフ トリュフは豚と紳士向けの珍味」
「翌日の朝早く マリー・サンクレールのアパート」
「フィフィ 友達で若く、人生を楽しんでいる。」
『あきれるわ、マリー。まだベッドの中なの?』
『起きなさい。ベッドで時間をムダにするなんて。』
『一体何があるの? こんなに早く起きて。』
『昨日から寝てないのよ。』
「ピエール・レヴェルが執務をするオフィス」
「ピエール・レヴェル 婚約を発表する」
『面倒な事になりませんか?』
『もう一人のレディは?』
『電話をしてくれ。』
『誰にです?』
『もう一人のレディだ。』
『マリー、今夜食事をつき合ってくれるかい?』
『もちろん、いいわよ。』
『彼女はまだ何も知らん。』
「ポーレット もう一人の友達」
「ピエール・レヴェル 婚約を発表する」
『マリーはこれを見たの?』
『人生ってこんなもんよ。』
『気にする事ないわよ。きっとうまくいくわよ。』
『だめよ、ピエール。私は今夜、出られないわ。』
『気分がよくないの。』
『あれを気にしてるんじゃないだろうね。』
『我々に何の関係もない。今までのままでいいんだ。』
『よくそんな事が言えるわね。』
『明日、君の気分がいい時に会おう。おやすみ。』
「その夜 カルチェ・ラタンで」
『マリー、友達のアトリエにいるのよ。来ない?』
『何が始まってるの?』
『友達が集まってパーティーをやってるのよ。』
『すぐ分かるわ。右岸だか左岸だかのアトリエよ。』
『驚いたな。』
『驚いたわ。』
『驚いたわ。』
「時は友情を裂き、よそよそしさが真の感情を覆い隠す。」
『おキレイになったこと。』
『あなたは画家になったのね。』
『じゃ、お願いね。私の肖像画を描くのよ。』
『ここよ。明日、来て下されば、細かい事を決められるわ。』
「翌日の朝」
『どのドレスがいいかしら?』
『どうしたの、ジャン、誰のために喪章をつけてるの?』
『父のために。』
『いつ亡くなったの?』
『君が村を出て行った日に。』
『隣の部屋の紳士に「いかがです」と聞いておいで。』
『お話してもムダよ。分かって頂けないわ。』
『そう決めつけるな。僕はよく分かってる。』
『あなたは賢すぎるのよ。』
『ただ…やりすぎぬように。』
『では銀色のドレスにする?』
「そして、マリーの肖像画が描き上がる日が来た。」
『あなた、くたびれない?』
『最後の仕上げをするまで画を見ない約束だよ。』
『なぜ昔を思い出させるの?』
『あの頃の方が君をよく知ってた。』
『愛してるよ、マリー。たとえどんな事があっても。』
『僕たちは結婚して新しい生活を始められる。』

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『フランクリン自伝』を原書で読む(第3回)

(テキスト2ページ、2行目~)

And, lastly (I may as well confess it, since my denial of it will be believed by nobody), perhaps I shall a good deal gratify my own vanity.

lastly(副)(文頭で用いて)(列挙して)最後に、終わりに(=finally)
may as well do ~するのも同じだ、~したほうがよい
confess(他)(罪・隠し事などを)告白する、白状する、打ち明ける
since(接)(理由)~だから、~のゆえに
my(代)私の
denial(名)否定、否認(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
will(助動)(話し手の推測を表わして)~だろう
good(形)(強意語として)(通例a ~)相当な、かなりの
deal(名)(a good dealで)(副詞的に)かなり、ずっと、だいぶ
gratify(他)(欲望・気まぐれなどを)満たす
vanity(名)虚栄心、うぬぼれ

Indeed, I scarce ever heard or saw the introductory words, "Without vanity I may say," &c., but some vain thing immediately followed.

scarce(副)=scarcely(副)ほとんど~ない
ever(副)(否定文で)かつて(~することがない)
introductory(形)紹介の、前置きの、序説の、入門的な
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
say(自)言う、話す、しゃべる
&c. ~その他、~など
vain(形)うぬぼれの強い、虚栄心の強い(=conceited)
thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件
immediately(副)直ちに、即座に、早速
follow(自)続く、あとに従う、随伴する

Most people dislike vanity in others, whatever share they have of it themselves; but I give it fair quarter wherever I meet with it, being persuaded that it is often productive of good to the possessor, and to others that are within his sphere of action; and therefore, in many cases, it would not be altogether absurd if a man were to thank God for his vanity among the other comforts of life.

most(形)(通例無冠詞で)たいていの ・most people たいていの人
dislike(他)(~を)嫌う、いやがる
in(前)(人の能力・正確・才能を表わして)(人)の中に、~には
other(代)(通例複数形で)ほかのもの、ほかの人たち、他人
whatever(形)(譲歩節を導いて)どんな~でも(=no matter what)
share(名)(単数形で)(一人の人が持つ)分け前、取り分
themselves(代)(強調に用いて)彼ら(彼女ら、それら)自身/(3人称複数の代名詞とともに用いて同格的に)
give(他)(印象・考えなどを)与える(+目+目)
fair(形)公正な、公平な(⇔unfair)
quarter(名)(降服した敵などに対する)寛大、慈悲
wherever(接)~する場合はいつでも
meet with ~ ~を経験する、味わう、受ける
persuade(他)(人に)(~を)確信(納得)させる(+目+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
productive(形)(~を)生じて
of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
good(名)利益、ため(=benefit)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
possessor(名)(通例単数形で/しばしばthe ~)所有者、占有者(=owner)
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
his(代)彼の
sphere(名)(活動・知識・勢力などの)範囲、領域、分野 ・a sphere of action 活動範囲
action(名)行動、働き、活動、実行
therefore(副)それゆえに、従って、それ(これ)によって(=consequently)
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で ・in one's power 勢力範囲に、力の限りに
case(名)場合、近況 ・in ~ case ~の場合に
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
altogether(副)まったく、完全に(notとともに用いると部分否定になる)
absurd(形)不合理な、道理に反した
if(接)(譲歩を表わして)たとえ~としても(if節中では仮定法を用いないが、(古)では用いる)
be(助動)(were+to doで実現性の乏しい仮定を表わして)仮に~だとしたら
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、~の返報として
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
comfort(名)慰めとなる人(もの)
life(名)人生

And now I speak of thanking God, I desire with all humility to acknowledge that I owe the mentioned happiness of my past life to His kind providence, which lead me to the means I used and gave them success.

and(接)(等位接続詞)(話題を変えたり始めたりする時に)(それ)では、さて
now(接)今や~であるからには、~である以上は
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
desire(他)(~を)強く望む、欲する、望む(+to do)
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
all(形)(性質・程度を表わす抽象名詞を修飾して)あらん限りの、最大の、最高の
humanity(名)人間愛、博愛、慈愛、慈悲、人情、親切(⇔inhumanity)
acknowledge(他)(~が)(~だと)認める(+that)
owe(他)(人に)(義務・恩義などを)負っている(to)
mention(他)(~のことを)(口頭または文書で話などのついでに)簡単に述べる、(~を)話に出す、(~に)言及する
happiness(名)幸運、幸せ
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
kind(形)親切な、優しい、思いやりのある
providence(名)(またa ~)摂理、神意、神慮、天佑神助
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
lead(他)(~を)(~の状態・結果へ)導く(to)
to(前)(限度・程度・結果などを表わして)~に至るまで、~するほどに
means(名)方法、手段
use(他)(ものを)使う、用いる
give(他)(人・物事が)(~に)(利益・損害などを)(結果として)与える、もたらす(+目+目)

My belief of this induces me to hope, though I must not presume, that the same goodness will still be exercised toward me, in continuing that happiness, or enabling me to bear a fatal reverse, which I may experience as others have done; the complexion of my future fortune being known to Him only in whose power it is to bless to us even our afflictions.

belief(名)(またa ~)信じること、信念、確信
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
induce(他)(人を)勧誘して(~する)気にさせる、(人に)説いて(勧めて)(~)させる(+目+to do)
hope(他)(~したいと)思う、望む、(~であればよいと)思う(+that)
must(助動)(否定文で禁止を表わして)~してはいけない
presume(他)(~を)想定する、前提とする(+that)
same(形)(the ~)(以前と)同じ、変わらない
goodness(名)(生来備えている)徳、善性
still(副)今後まだ、これからもなお引き続き
exercise(他)(影響・力などを)及ぼす
toward(前)(感情・態度の対象を表わして)~に対して(の)、~について(の)
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して(doing)
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの
enable(他)(物事を)(人を)(~することが)できるようにする(+目+to do)
bear(他)(通例can、couldを伴って否定文または疑問文で)(苦痛・不幸などに)耐える、我慢する
fatal(形)運命の、運命を決する
reverse(名)不運、失敗、損失、敗北
may(助動)(不確実な推量を表わして)~かもしれない、おそらく~であろう
experience(他)(~を)経験する、体験する
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
do(自)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)
complexion(名)(単数形で)(事態の)外観、様相
future(形)未来の、将来の
fortune(名)運勢、(将来の)運命
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
whose(代)(関係代名詞)(制限的用法で)(その~が(を、に))~する(ところの)(人)(「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
power(名)影響力、権力、勢力、支配力 ・be in a person's power 人の手中(支配下)にする
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
bless(他)(天恵として)(人などに)(~を)恵む、授ける
our(代)我々の、私たちの
affliction(名)悩みの種、不幸の原因

The notes one of my uncles (who had the same kind of curiosity in collecting family anecdotes) once put into my hands, furnished me with several particulars relating to our ancestors.

note(名)(しばしば複数形で)覚え書き、メモ
one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
kind(名)種類
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
curiosity(名)(またa ~)好奇心
collect(他)(~を)集める、収集する
family(形)家族の、家庭の
anecdote(名)逸話、逸事
once(副)昔(ある時)、かつて(は)
put(他)(~を)(~の状態・関係に)置く、する
into(前)(変化・結果を表わして)~に(する、なる)(通例ある物が別の物に形や状態を変えることを表わす)
hand(名)(通例複数形で)(所有の)手、所有
furnish(他)(人に)(必要物を)供給する(with)
with(前)(材料・中身を表わして)~で
particular(名)(通例複数形で)点、事項、細目
relate(自)(~と)関連がある、関係をもつ(to)
to(前)(付属・関連・関係を表わして)~の、~に(とっての)
ancestor(名)先祖、祖先(=forbear)

From these notes I learned that the family had lived in the same village, Ecton, in Northamptonshire, for three hundred years, and how much longer he knew not (perhaps from the time when the name of Franklin, that before was the name of an order of people, was assumed by them as a surname when others took surnames all over the kingdom), on a freehold of about thirty acres, aided by the smith's business, which had continued in the family till his time, the eldest son being always bred to that business; a custom which he and my father followed as to their eldest sons.

from(前)(根拠・動機を表わして)~に基づいて、~によって ・from notes メモを見ながら
learn(他)(~を)(聞いて)知る、聞く(from)(+that)
family(名)(血縁関係のある)一家、一族、一門
live(自)住む(場所を表わす副詞句を伴う)(in)
in(前)(場所・位置・方向を表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
Northamptonsire(名)ノーサンプトンシャー州(イングランド中部の州/州都Northampton)
for(前)(時間・距離を表わして)~の間(ずっと)
three(形)(基数の3)3の、3個の、3人の
hundred(形)100の、100個の、100人の(通例a、anまたはone、fourなどの数詞がつく)
how(副)(疑問詞)(程度を尋ねて)(節を導いて)
much(副)(形容詞・副詞の比較級を修飾して)はるかに、ずっと、断然
long(副)長く、長い間、久しく
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+wh.)
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)~から
time(名)(特定の)時、時期
when(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する(した)(時)(通例「時」、時には「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
franklin(名)(14・15世紀ごろの)自由保有地主、郷士
before(副)(時を表わして)以前に、かつて、すでに
order(名)(社会の)序列、階
assume(他)(役目・任務・責任などを)とる、引き受ける
as(前)~として
surname(名)姓、名字
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
take(他)(~を)(選んで)用いる、採用する
all over ~ ~のいたるところに
kingdom(名)王国
freehold(名)自由保有不動産
about(副)(数詞を伴って)およそ、約~
thirty(形)(基数の30)30の、30個の、30人の
acre(名)エーカー(面積の単位/=4840平方ヤード、約4047平方メートル)
aid(他)援助する
smith(名)鍛冶(かじ)(屋)
business(名)職業、家業(特に利益を目的とするものにいう)
continue(自)(仕事などを)(休まずに)続ける
till(前)(動作・状態の継続の期限を表わして)~まで、~になるまで、に至るまで(ずっと)
time(名)(one's ~)(人の関係していた)時期、ころ
eldest(形)(兄弟などの血縁関係で)いちばん年上の
bred(動)breedの過去形・過去分詞
breed(他)(人を)(~に)仕込む、育てる
to(前)(目的を表わして)~のために、~に
custom(名)慣習、風習、慣例
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
follow(他)(先例・風習などに)従う、習う
as to(文中に用いて)~に関して、について
their(代)彼ら(彼女ら)の
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)